今年も余すところあと二か月、横浜へ寄港したダイヤモンド・プリンセス号の乗員から新型コロナウイルス感染者が発生以来、日本はおろか全世界が新型コロナウイルス禍に引っ掻き回されています。◆毎日の新聞は都道府県別・国別の感染者数と死者数を伝え、ワクチンの開発状況を伝え、識者は今も「三密」を避け、ソーシャル・ディスタンスを取り、マスクをし、なおかつ不要不急の外出を控えるよう勧めています。政府の甘い試算に踊らされてゴーツ・トラベルやらイートやらに乗って動き始めた人たちも、アメリカ、ブラジル、インド、そして西欧諸国で感染者が増え始めたことに、「明日は我が身」と感じているかもしれません。◆有効で安全なワクチンが日常的に行き渡るのは何時のことか想像もつきませんから、不要不急の外出を控えるのがベストと思い、空白が目立つ予定表を見ながら、日ごろ忙しさにかまけて出来なかった事ども始めました。◆なかなか読み始められなかったブルーストの「失われた時を求めて」14巻やソルジェニーツインの「収容所群島」6巻を読み始めましたし、溜まりにたまった本、写真、新聞の切り抜きの整理、雑草がはびこる庭仕事などにもっと目を向けた生活をはじめました。それが新型コロナウイルスと共存せざるを得ない今の私の新しい生活です。◆「誌上句会」に投句で参加するのもそれなりに楽しんでいますし、選句の結果を報じる冊子をじっくりと読むのも一興があります。月に一度新聞の休刊日のように、月に一度テレビの休日があってもよいでしょうし、大型クルーズ船で一~二週間何にもしないで船旅を楽しむのもいいでしょう。新型コロナウイルスがそんな機会を与えてくれているのかもしれません。(「あかつき」182号より転載)