7年前、韓国ソウルでパスポート、現金、カメラ等貴重品を入れた鞄を地下鉄の網棚に置き忘れました。駅員にその旨伝えますと、監視カメラ管理室へ案内し30台ぐらい並んでいるモニター画面を見せてくれました。そのいくつかの画面には私が地下鉄を降りるところから、途中トイレへ行くところ、階段を上っていくところ等々が録画されていましたので、鞄を置き忘れた車両番号や網棚の位置がたちまち特定できました。すぐさま通過する駅に対し鞄を探すよう指示してくれましたが鞄は既に誰かが持ち去った後でした。◆韓国は北朝鮮との関連で厳しいのだろうと思いましたが、今では日本でも、駅は勿論、交差点、コンビニ、本屋等々に監視カメラは設置され、私たちの一挙一動は監視されているのです。◆政府が国会に提出している「テロ等組織犯罪準備罪」法案は、今までの刑事法体系は「既遂」を処罰して「未遂」は処罰しなかったのに、277に及ぶ犯罪については、未遂はおろか計画・準備の段階から取り締まろうとしています。◆法律は怖いもので、解釈と運用によってはどうとでも使われてしまいます。恣意的な捜査が日常茶飯事に行われている今日において、警察は怪しい、危険だ、と考える個人や団体を日常的に監視。追尾するでしょう。◆1949年にジョージ・オーウェルがSF「1984年」で描いたように、私たち一般の人が何を考えているか、個々人の心の中までも国家は常に監視するようになるでしょう。各種文化団体や日本ペンクラブに続いて、川柳人は内心の自由、表現の自由を踏みにじるこの法案に反対しましょう。(「あかつき」第141号より転載)