あかつき川柳会第126回定例句会は1月13日(金)に投句27名を含め91名の参加で開かれました。初出席は神戸市の青木公輔さん、初投句は大阪市の馬場豪雄さんでした。「お話」は川柳さんだの北野哲男さんが「老いのたわごと」と題して、ご自分が関わっている三田の川柳会の事などを話されました。川柳句会は「人を集める」のではなく、「人が集まる」句会を目指すべきであり、基本のスタンスは「メダカの学校」で誰が生徒で先生か❓、小人数の句会では互選方式で会を運営すると、他人の選んだ理由もわかるし、選をすることによって自分の作句も上達するとのことです。句集は一週間ほどで500部くらい作り、あちこちに置いて皆に見てもらう。川柳会の出前もして試食してもらうし、武庫川の桜木には短冊に200句くらい下げてお花見の人々にも見てもらうとのことです。

更に三田市の文化祭にも川柳を展示して見てもらうし、説明もしてあげる。このようにすることによって地域での影響力も増すし、川柳は楽しいからおいで、と呼びかけることも出来ると話されました。◆なかなか川柳を楽しむ心境にはなれず、毎回句会に参加するときは兼題や時事吟を作るのに四苦八苦します。新聞や句会で接する他の人の川柳には、本当に素直に詠まれていると感心するものが多いです。2月8日の朝日新聞の京都川柳には「ネクタイを外せば伸びる無精ひげ  京田辺市 山本 一光」「同好会眼膝腰で盛り上がり  京都市 渡邊 幸雄」とありました。
表情
森  廣子 選
(天の句) 食べている時が一番嬉しそう 北朗
(地の句) 仏の顔しても心に住むサタン 栄子
(人の句) あの人はあれで笑っているんだよ 茶助
(佳 吟) 玄関にいつもにっこり花がある 紀乃
穏やかな顔の遺影に救われる いさお
聞き上手表情までも添えてくれ ダン吉
どちらにも首を振らないも待った目 のぶ久
正直で喜怒哀楽がすぐ顔に 浩子
(軸 吟) やる気満々面魂を見せて置く 廣子
光る
嶋澤喜八郎 選
(天の句) 落ちてなお異彩を放つ寒椿 穏夫
(地の句) 四十ワットの電灯提げて釈迦がくる 茶助
(人の句) 光るもの全部はずして人になる ふさゑ
(佳 吟) 光りものいらぬ内から光ってる 惠美子
口下手の誠意の言葉光ってる
老いたので光るものから遠くいる
光るものないがくすんでもいない 武志
ひとすじの光彬の反戦句 ダン吉
(軸 吟) 小粒でも発光体の自負がある 喜八郎

山本希久子 選
(天の句) 成人式風もスキップして祝う 満知子
(地の句) 千の風かあさん私元気です はこべ
(人の句) この星に吹かせてならぬ戦風 一志
(佳 吟) 風になりたくて肩書みな外す 英夫
逆風にめげそうになる老いを知る 浩子
風紋の我慢強さよ寒に入る 喜八郎
風受けて洗濯物がダンスする 克己
新風へクリーニングをするこころ 朝子
(軸 吟) ネットから平常心を揺らす風 希久子
生命
藤原 一志 選
(天の句) 過労死に気付かぬ振りのビル明り のぶ久
(地の句) 命の灯ドナーカードに棲む女神 弘子
(人の句) 新しい命むさぼりつく乳房 惠美子
(佳 吟) 生命の誕生母は命がけ 満知子
早く早く待っていますよiPS 勝弘
ペット死ぬ私の成れの果てを見る 信二
昭和史を生きた命の明と暗 シマ子
介護して生命の恩を子が返す 鉄心
(軸 吟) 両手いっぱい宇宙の恵み初日の出 一志
時事吟
川端 一歩 選
(天の句) 123万日本の進路背負ってる 紀雄
(地の句) 寒波如きに負けてなるかと受験生 たもつ
(人の句) 今まさに世界歴史の転換期 朝子
(佳 吟) このままではやがて赤紙来かねない 保州
ベトナムはエライ原発断った
新型のミサイル民を飢えさせて 克己
廃炉まで兆の飛び交う原子力 櫻田秀夫
永さんの冥途アドレス知りたいな 鮎子
(軸 吟) 正月からバカをしてます二日酔い 一歩