あかつき川柳会の第127回定例句会は2月10日(火)に投句者35名を含め100名の参加で開かれました。初参加者は枚方市の大島守さん、堺市の川畑真由美さん、河内長野市の森本万作さん、奈良市の花田文聡さんの四人でした。この日のお話は川柳阪南の日野愿さんが「川柳句会に思う」と題して、日頃いろんな句会に参加している自分の経験を織り交ぜ話されました。中でも言葉遣いに関しては、「・・・させていただきます」という一見すごく丁寧に聞こえる言葉も、当初は大阪の商人たちが使い出しました。今は政治家たち、そして時には川柳の句会などでも聞くが、なぜそこまでへりくだらなければならないのか疑問に思う、と指摘されます。また仲間を「○○先生」と呼ぶことにも疑問を呈され、川柳会ではごく普通に柳名に「・・・さん」で呼ぶのがふさわしい、と言われました。

最近の日本語は気を付けて聞くと「お大根」「おコンニャク」やら「…先生」「…させていただきます」が氾濫しております。又トランプ米大統領、安倍総理、稲田防衛大臣等々の政治家を始めその他の代議士の言葉も、一見丁寧そうで実は中身が全くない空虚なものが増えつつあります。そして、それをおかしいと思わずに聞いていたり、自分自身も話したりすることがあるのに気づかせてくれた「お話し」でした。
取る
大内 朝子 選
(天の句) 手を取って歩く夫婦の温い息 昌代
(地の句) 半分こ兄はいつでも小さい方 一歩
(人の句) 妹に先に取らせて仲が良い 栄子
(佳 吟) 言葉尻取られ窮地に追い込まれ 俊雄
取る物も取りあえず来た師の死に目 久美子
愛よりもお金安全です老後 栄子
ペンで取る言わねばならぬ事がある ダン吉
春場所へ和製横綱人気取る 克己
(軸 吟) 悪いとこ取ってこの世に返り咲く 朝子
暖かい
辻井 義泰 選
(天の句) すうどんの温みしみ込む夜勤明け 髙鷲
(地の句) 困ったら何時でも来いと手が温い 行兵衛
(人の句) 声かけられほっと一息白い杖 英夫
(佳 吟) 許す気がからだの芯を暖くする 敏子
北風に母の手編みを首に巻く 一志
飛び込んでメガネの曇る縄のれん 哲男
古里は飾らないけど暖かい ひろ子
暖かい日差し知ってる小さい芽 シマ子
(軸 吟) 戦争と愛を歌って暖かい 義泰

安土 理恵 選
(天の句) 見返りを求めず親は朽ちてゆく 穏夫
(地の句) 亡き母のように心は優しいか はこべ
(人の句) どんな風吹こうと親は親である 朝子
(佳 吟) 戦後70年未だ親離れ出来ぬ国 紀雄
リハビリの母と一緒に汗をかく ひろ子
里便り生き抜く知恵も添えてある ひろ介
シングルで育てる迷いなどはない 浩子
空蝉の生家に父母の遠い声 侑子
(軸 吟) 子ら三人成人させた自負がある 理恵
足許
鈴木 栄子 選
(天の句) ほっとした途端足許掬われる ひろ子
(地の句) 足許の小さな幸に気付かない 浩子
(人の句) ライト浴び足許の罠気付かない 敏子
(佳 吟) 足許をきっちり見てた立行司 義泰
足許の抗議聞こえぬ海埋める Kすけ
欠伸して足許の火に気づかない 紀乃
足許を固めてからの広い視野 朝子
足許のたしかな人だませよう 侑子
(軸 吟) 足許に目がいる老いの四畳半 栄子
時事吟
近藤  正 選
(天の句) 海んちゅの胸にブロック落とし込む 鈍甲
(地の句) 喚きつつあの大国が行き詰まる 鈍甲
(人の句) やっと春和製横綱稀勢の里 隆昭
(佳 吟) 少女像にされた少女が泣いている まゆみ
感謝してます寒い朝でもボランティア 廣子
まないたへ石原のせる気の都知事 久美子
新潟の大火師走を舐め尽くす 壽峰
川柳も共謀罪の範囲です 紀雄
(軸 吟) やってますポスト真実アベ総理 近藤正