あかつき川柳会第128回定例句会は3月10日(金)、投句35名を含み100名の参加で開かれました。今月のお話は、新葉館出版の発行人、松岡恭子さんで、「川柳とインターネット」と題してコンピューターを介してのコミュニケーションについて解説されましたが、不慣れな用語が多く解りづらかったようです。一般的には企業や団体が「ホームぺージ」を開設して企業の宣伝や取扱商品の説明をしております。川柳界でも日川協のホームぺージから川柳塔社、番傘本社、あかつき川柳会等13柳社のホームページへリンクしています。主として個人が利用しているフェースブック、インターグラム、ライン、そしてツイッターがありかなり普及はしていますが、川柳界ではパソコン自身の利用も少ないせいか、あまり普及していないようです。

川柳がインターネットにどのように関わっているか、の現状にも触れ話されましたが、まだまだ浸透はしていないようです。川柳界には、パソコンの使用が日常的になっておりホームページやSNSの利用が生活の一部になっている若い世代が少ないので、この層の人たちを川柳へ呼び込むことは川柳の広がりに繋がりますが課題も多いようです。(あかつき川柳会では2006年よりホームページを開設していますが、11年が過ぎた今でも一日平均8人くらいしか見ていないようです。)
恋愛
荻野 浩子 選
(天の句) 百歳の恋は揺蕩う春の海 惠美子
(地の句) 青い空だれかと恋がしたくなり たもつ
(人の句) 恋愛のせいかこのごろ不整脈 いさお
(佳 吟) 棘のないバラなら恋もおもろない 惠美子
蝶が舞う茄子もかぼちゃも恋をする 克己
信号機付けても無駄な恋の道 和雄
二輪草恋はあの世で実を結ぶ 一文
嵐の日彬の恋をふと思う ダン吉
(軸 吟) 燃えつきるまで女でいたい恋したい 浩子
祈る
笠嶋恵美子 選
(天の句) 黙祷を終える自由な空がある 紅絵
(地の句) 3.11御霊の声か波の音 満知子
(人の句) 十字架のようにニトロを下げている 柾子
(佳 吟) 友一人月に旅立ち般若経 一文
殺すなよ殺されるなよ母祈る ダン吉
ご多幸を祈る言葉で筆をおく 和子
祈ってるだけじゃ掴めぬ未来地図 千代
影までも祈るかたちに老いてゆく 朝子
(軸 吟) 項低くして千本鳥居を潜る 惠美子

森松まつお 選
(天の句) 百歳を妻と一緒に迎えたい 紅絵
(地の句) 一年生です震災の日の赤児 義康
(人の句) 一度でも「生」に触れたいサユリスト いさお
(佳 吟) 生命ある地球そっくり星がある
メールより母は聞きたい生の声 朝子
生きている子供食堂居場所ある 美世子
入院のベッドで生死考える 信子
生きていてあげぬと夫困るだろ シマ子
(軸 吟) 生かじりの知識気勢吐くのれん まつお
太陽
松本 柾子 選
(天の句) 太陽がしっかり抱いてくれました 生枝
(地の句) これもこれ沈む夕陽を嘆くまい 都武志
(人の句) 太陽が王手をかけてくるのです 信子
(佳 吟) 太陽に感謝表すわが国旗 堅坊
ばあちゃんの絵手紙太陽笑ってる シマ子
太陽の下で嘘など吐けません 北朗
太陽族も今は呆けたおじいちゃん 克己
太陽はいつも自分の胸に置く はこべ
(軸 吟) お日様もエスコートするランドセル 柾子
時事吟
日野  愿 選
(天の句) 水仙は匂わずパク・クネの最期 惠美子
(地の句) 戦前の化石が生きる幼稚園 たもつ
(人の句) 離れとこ共謀罪にされるから 栄子
(佳 吟) 三月の鬼追っ払う修二会の火 克己
男性の生き様も問う女性デー 柾子
三月は物入り年金は出ない 一歩
希望湧く光の春のど真ん中 朝子
こっそりとウィンウィンの天下り のぶ久
(軸 吟) 口利きがあればお安くしときます