あかつき川柳会第130回定例句会は、5月12日(金)に投句33名を含め99名が参加して開かれました。今月のお話は全、日本年金者組合大阪府本部委員長の永井守彦さん。「老人にロマンを・・・シルバー民主主義を考える」と題して、2001年に退職後のご自身の経験してきた高齢者運動とシルバー民主主義について語られました。その中でも一昨年喜寿を迎えたフォークソング・シンガーでマラソン・ランナーでもある高石ともやとの出会いにとても興味がありました。高石ともやは2016年11月、八年ぶりに「喜壽記念マラソン」に挑戦しました。彼からのメッセージは”出かけていくから出会いがあり、出会いは新しい自分をつくっていく。少年は夢を見、青年は夢を追いかけ、おじさんは夢に生きる“でした。

永井守彦さんはそれを少しアレンジして”少年は夢を見、青年は夢を追いかけ、おじさんは夢に生き、そして高齢者は夢を語り広げる“としました。年金者組合が取り組んでいる「年金削減違憲」訴訟での私たちの人権宣言は①これ以上年金を下げないで②安心できる年金制度③あるべき日本の社会保障制度④国の義務―憲法25条です。(注:憲法25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。)
尽きる
石田ひろ子 選
(天の句) 冒険心尽きることなく若くいる 朝子
(地の句) これに尽きると酒飲み交わす初鰹 廣子
(人の句) 川柳へ尽きぬ情熱鶴彬 北朗
(佳 吟) 命カネ同時に尽きるのが理想
残り時間尽きて来たよと鐘が鳴る たもつ
母さんの味に尽きます里帰り 満知子
北の国尽きる事なく花火上げ 紀雄
郷土愛尽くして辺野古守り抜く はこべ
(軸 吟) 鬱の日はこれに尽きるとカラオケで ひろ子
響き
了味 茶助 選
(天の句) 胸奥で空虚に響く美辞麗句 敏子
(地の句) 酒呷る何とわびしい響きだろ 哲男
(人の句) 道徳に軍靴の音を潜ませる 河野正
(佳 吟) 花の囁き静かに響く通夜の席 和子
労働歌の響き五月の空翔る いさお
彬の詩五臓六腑に響くもの ひろ子
六方踏む檜舞台の冴えた音 ばっは
新緑が萌えて明日を響かせる 寿子
(軸 吟) 丸太を見るたび響いてくるのです 茶助

雪本 珠子 選
(天の句) 沸点を越えてしまった恋の傷 廣子
(地の句) マドンナに声掛けられて火傷する 紀雄
(人の句) 恋破れ少し人間らしくなる ダン吉
(佳 吟) 初恋の遠い記憶が跳ねている 寿子
失恋をしてから人の痛みしる 都武志
恋の夢見ぬまま散った兵の墓 和子
思い出の恋は冷凍して保存 一歩
拷問死の多喜二よ恋をしましたか みつ江
(軸 吟) 恋は曲者人生までも狂わせる 球子
宝石
碓氷 祥昭 選
(天の句) 九条は宝石箱に入れてある 廣子
(地の句) 二人の子育て宝石知らぬ妻 堅坊
(人の句) 宝石は買えぬが誰にも負けぬ愛 克己
(佳 吟) ブランコの風はいつでもエメラルド 美子
宝石など付けぬが心光らせる たもつ
エメラルドグリーンの海が濁りだす 鮎子
他人のために流す涙は真珠です 敏子
ダイヤより眩しい君の微笑みよ 茶助
(軸 吟) 宝石に人間だけが惑わされ 祥昭
時事吟
加山 勝久 選
(天の句) 母の日はご無沙汰詫びて墓参り 一歩
(地の句) 改憲に腹の膨らむ鯉のぼり 廣子
(人の句) 縄のれんうっかり言えぬまつりごと Kすけ
(佳 吟) 主役の子居ない家増えこどもの日 紀乃
まず北へ行ってくださいアベ総理 勝弘
北と米似た者同士せめぎ合う 一文
森友の幕をひきます選挙前 千鶴子
憲法改正機は熟したと世論無視 Kすけ
(軸 吟) 宇宙から覗かれる国覗く国 勝久