第136回あかつき川柳会定例句会は11月10日(金)、投句38名を含め94名の参加で開かれました。今月のお話は、原水爆禁止大阪府協議会の岩田幸雄理事長さんが、「今、核兵器禁止の運動は・・・」と題してされました。7月の国連総会で核兵器禁止条約は122か故国の賛成で成立しましたが、核保有国は参加せず、安全保障をアメリカの「核の傘」に依存する日本も不参加でした。この条約は9月から署名・批准が始まりましたが、日本は戦争被爆国として、核保有国と非核保有国の橋渡し役を辞任していましたのに、安倍首相は核禁条約には署名・批准しないと言っています。私たちは日本政府にこの条約に署名・批准を促すために、3000万署名共ども国民運動を繰り広げなければならないと、お話を締めくくられました。

朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射実験を繰り返し、アメリカはすべての選択肢はオン・ザ・テーブルと軍事行動をちらつかせ、朝鮮の目の前で韓米軍事演習を繰り返しています。安倍総理はこの米朝軍事衝突を口実に、空対地ミサイルの導入し、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35に搭載し、公海上からでも朝鮮のミサイル基地を攻撃出来得る体制を作ろうとしているようです。憲法9条では「専守防衛」に徹すべき自衛隊がこのようなな装備をすることにより、日米の役割分担が大きく変質する恐れがあります。
主張
松浦 英夫 選
(天の句) テロ難民私の主張どこに言う 一歩
(地の句) 自己主張捨てて日本が手揉みする はこべ
(人の句) 侮れぬ三歳児にもある主張 福貴子
(佳 吟) 全面降伏妻の言い分受け入れる 克己
寄付もしてゴルフで遊び主張せず 勝久
パパママの都合が塾を割りあてる 穏夫
金木犀秋祭りだと主張する 鮎子
言いはって張り裂けそうな胸のうち 昌代
(軸 吟) 言いたい事言えばしっかりやりなさい 英夫
儚い
森  廣子 選
(天の句) 青春の夢を奪った殺人鬼
(地の句) 人間も魚も流す血は赤い 茶助
(人の句) 儚いはかない103歳の爺が言う 鈍甲
(佳 吟) 地に還るいのち儚い緋の紅葉 浩子
たった七日の蝉の命を慈しむ いさそ
儚さに耐えて命を長らえる 都武志
バブルの夢儚く散って濡れ落葉 ひろ介
一瞬の虹を見たのは私だけ 久美子
(軸 吟) 儚い命神に預けて今日生きる 廣子

鴨谷瑠美子 選
(天の句) 睦まじく渋柿吊るす優しい手 和子
(地の句) 本当の柿の色した磁器を買う 義泰
(人の句) 渋柿を齧ったような顔で居る 松浦英夫
(佳 吟) 人よりも素直熟度が色に出る 千鶴子
捥いだ柿ズボンで拭いて齧りつく 克己
夕焼けとコラボ真っ赤な熟し柿 壽峰
富有柿実り吉野は冬支度 いさお
人も柿も八年経てば熟す秋 善之
(軸 吟) アトリエの柿が本物らくなる 瑠美子
街灯
油谷 克己 選
(天の句) 街灯の死角で人間牙を研ぐ たもつ
(地の句) 街灯の影へ佇む親ごころ 敏子
(人の句) 秋刀魚さえ獲れぬ港の灯はにぶい 一歩
(佳 吟) 回り道でも街灯多い道を行く 敏子
人の恥部見ても街灯知らんぷり 高鷲
商店街街灯代で揉めている 忠昭
街灯もうらやむ程の長いキス 高鷲
逃げ道を隠した街灯のいけず 瑠美子
(軸 吟) 街灯の影とさびしく寝に帰る 克己
時事吟
西川ひろし 選
(天の句) 草の根が殩めく核廃ノーベル賞 和大
(地の句) 憲法を変えて日本をどうする気 保州
(人の句) 人間か普通の顔の殺人鬼 廣子
(佳 吟) 丁寧な説明待たず開校へ 勝久
いつの世もございますのよ袖の下 ばっは
パラダイス文書またまたベール剥がされる 堅坊
最大の宿題核のゼロだろう ダン吉
イバンカ嬢をよいしょする金誰出すの 洋次郎
(軸 吟) トランプは売り込み成功超高価 ひろし