あかつき川柳会の第137回定例句会は12月8日(金)、投句36名を含め87名の参加で開かれました。初参加は愛知県蟹江市の恵利菊江さんです。2017年の最期の句会ですので、あかつき川柳会の岩佐ダン吉会長が『あかつきの一年』と題して2017年を振り返りました。◆9月に行われた鶴彬顕彰碑建立10周年記念の、碑前祭、講演会、懇親会の三行事が成功裏に開かれ延220人が参加しました。◆毎月の定例句会の「お話」には柳論に加えて、「川柳と差別語」「老人にロマンを…シルバー民主主義を考える」「湖北の十一面観音訪ねて」「ふたたび多喜二・鶴彬・ユンドンジュを作らない」「地獄・餓鬼・畜生」「今、核兵器禁止の運動は」等、各界の多彩な運動を紹介しました。

◆来年2018年は鶴彬獄死80年に当たり、これに向けて句会参加者120名、誌友100名、同人130名を目標にし、全国の川柳人・川柳結社とも連帯して行こうと締めくくりました。◆2017年の世相を詠んだ代表句として「オスプレイの音が見上げる冬の空  ゆう子」「原発があの手この手で動き出す  錦武志」「やばいなああの人がもつ核ボタン  ダン吉」「大臣は記憶も記録も失せし人  郁夫」「野党共闘彬もきっと拍手する  峯二」「草の根が燦めく核廃ノーベル賞  和大」を、披露しました。

大内 朝子 選
(天の句) 死線越え今は語り部希望添え 郁子
(地の句) 直線を歩く出世が遠くなる 茶助
(人の句) 補助線を三本引いて生き延びる 栄子
(佳 吟) めぐみさんの親の願いが琴線に 康信
同居して視えない線へ気を遣う 敏子
あの日あの時死線をさ迷った命 和子
偏差値で線引きされる青りんご ひろ子
九条は平和の砦譲れない 紀雄
(軸 吟) 線引きはもうやめました丸う住む 朝子
来る
北村 紅絵 選
(天の句) おもしろく生きるお迎え来る日まで 浩子
(地の句) 母が来る今年は足が痛そうだ シマ子
(人の句) アポなしで突然老いがやって来る 栄子
(佳 吟) 一升瓶笑いを詰めてやって来る 常男
秋抜きでせわしい冬がやって来る 和雄
ひとり待つ来るか行ったか山のバス のぶ久
どんと来い腹はとっくに決めている ダン吉
元気かと里から旬がやってくる 恵美子
(軸 吟) 六割は義理が来ていた盛会裡 紅絵
地上
竹村 穏夫 選
(天の句) 地上には百花咲かせて逝くつもり 浩子
(地の句) 地よ天よお相撲さんは人である 茶助
(人の句) 地に耳を当てるマグマの呻き声 克己
(佳 吟) 土からは命をもらう夢貰う 信二
NO再稼働地上にいらぬ放射能 九条男
飛行機のパネルが落ちてくる地上 和雄
回転軸ずれたか地上に戻れない 蕉子
魂は天に墓標と花は地に 哲男
(軸 吟) 大よその事は地上で片が付く 穏夫

古今堂蕉子 選
(天の句) 大元はぼかし枝葉をニュースショー 一志
(地の句) 首を吊る優しい枝が見つからぬ 美子
(人の句) 枝打ちもしないで森林税を取り 勝久
(佳 吟) 枝豆は丹波の黒豆に限る いさお
子育てに切りたい枝と伸ばす枝 のぶ久
枝分かれして良かったと枝野さん 義泰
枝道のその枝先の秘密の場 信二
原点が枝葉にうもれ見失う 常男
(軸 吟) 山吹の一枝乙女こころ込め 蕉子
時事吟
中里はこべ 選
(天の句) 沖縄の自治を返せともの申す 近藤正
(地の句) 満月に恥じぬと総理言えますか 一歩
(人の句) 改憲止め選挙制度を変えてくれ 善之
(佳 吟) スマホにて押せば発進核ボタン
過労死遺族一人息子だすぐ返せ 九条男
核の傘核戦争へ紙一重
九条をちゃんと磨いて生かそうよ 美世子
安倍さんの目が空ろだな図星だな ダン吉
(軸 吟) 開戦日若い人らに伝えたい はこべ