あかつき川柳会第139回定例句会は2月9日(金)、投句38名を含み103名の参加で開かれました。今月のお話は大阪山宣会事務局長浜田紀男さんが「今に生きる山本宣治」と題して、通常「やません」の愛称で呼ばれている山本宣治について語られました。山宣は1929年3月に衆議院で上程された治安維持法にただ一人反対し右翼のテロに倒れた労農党の代議士であり、かつ同志社大学では性科学を教える講師でもありました。1928年3月の共産党に対する大弾圧に対し、翌年の衆議院予算委員会で「不当検束、不法拘束、拷問」ついて質疑を行い3・15事件に対する政府の態度を厳しく追及しました。 あかつき川柳会の連絡事務所が2月14日にオープンしました。JR大阪環状線「玉造駅」より徒歩5分にある木村ビル2階(〒543-0013大阪市天王寺区玉造本町3-6)でTEL/fax06-6764-7844、当分は月・水・金曜日の13:00~16:00にオープンしています。本会への連絡、質問等がございましたらいつでも出来ればFAXでいただければ担当者へ転送しご返事いたします。会報『あかつき』も創刊号より最近のものまでそろっており、在庫もまだございますから必要な時はお知らせください。 | |
正直 立藏 信子 選 |
(天の句) | 冬のトマトが正直な顔をする | ますみ |
(地の句) | 正直に生きていますと無神経 | 真理子 | |
(人の句) | 正直に生きたと閻魔には言おう | 扶美代 | |
(佳 吟) | 真剣に地球の声を聴く氷柱 | ますみ | |
正直に喋ると揉み消しにされる | いさお | ||
正直は昔話の中で生き | 一志 | ||
二枚目の舌抜かれても言えません | 廣子 | ||
本当のところ大きい箱がよい | 穏夫 | ||
(軸 吟) | はた迷惑にならない程度正直に | 信子 |
重い 土田 欣之 選 |
(天の句) | 三線にあふれる重いメッセージ | ますみ |
(地の句) | 重い土割って土筆の独り立ち | かこ | |
(人の句) | 改憲へ重い扉が軋みだす | 一志 | |
(佳 吟) | 夢希望イッパイ詰めたランドセル | 壽峰 | |
相撲とは神事と重い口割って | 浩子 | ||
沈黙の重さはプライドの重さ | 希久子 | ||
重い冬撥ね除け芽吹く蕗の薹 | 寿之 | ||
一トンを動かす知恵のベアリング | 松井秀夫 | ||
(軸 吟) | 百年の長寿が重くなる介護 | 欣之 |
鏡 山本希久子 選 |
(天の句) | 元気元気自分だましている鏡 | 真理子 |
(地の句) | 一番若いぼくを鏡に見てもらう | たもつ | |
(人の句) | 美しい思い違いをした鏡 | 扶美代 | |
(佳 吟) | 鏡にも言いたいことはあるだろう | 信二 | |
世界一うそつきだあれ聞いてみる | 鮎子 | ||
シンデレラになった試着室の鏡 | 浩子 | ||
小綺麗な老人めざし身をやつす | ひろ介 | ||
まだ少し恋が残っている鏡 | 扶美代 | ||
(軸 吟) | 睡眠負債いつも抱えている鏡 | 希久子 |
祝儀 岩田 明子 選 |
(天の句) | 春だからどんと祝儀をはずみましょう | 紀乃 |
(地の句) | 失敗も笑い話にする祝儀 | のぶ久 | |
(人の句) | 祝儀袋のせてきくるのは春の風 | 立藏信子 | |
(佳 吟) | ICANにうんと祝儀をはずみたい | 鈍甲 | |
再婚の祝儀袋は結び切り | 浩子 | ||
少し見え入れてあります祝い金 | 昌代 | ||
お捻りを胸で受けます旅役者 | 松井秀夫 | ||
気持ちだけ開けたら祝儀気持ちだけ | 一歩 | ||
(軸 吟) | 御祝儀を弾む三浪やっとパス | 明子 |
時事吟 鈴木いさお 選 |
(天の句) | こな雪しきり運河の町よ多喜二の忌 | ばっは |
(地の句) | 重税の国とも知らず子が生まれ | 一歩 | |
(人の句) | 少しだけ言わせて欲しい車椅子 | 扶美代 | |
(佳 吟) | 白菜が妻の機嫌を損ねてる | 篤 | |
熱い手のもてなし雪の北陸路 | 欣之 | ||
真子様を励ますように雪が降る | ますみ | ||
人がつくり人を殺めたきのこ雲 | 保州 | ||
天と地の怒り豪雪大地震 | かこ | ||
(軸 吟) | 無事終われるか平昌の冬まつり | いさお |