第143回句会は6月8日(金)、投句36名を含め100名の参加で開かれました。冒頭、岩佐ダン吉会長は、今年は鶴彬の獄死80年を迎え、鶴彬から学ぶことの意義は一層大きなっており、12月15-16日には劇団きづがわの創立55周年記念・第77回公演では「鶴彬~暁をいだいて(仮題)」を予定しています、と報告がありました。今月のお話は川柳文学コロキュウムの赤松ますみさんが、「川柳雑感」と題して、いろいろ話をされました。特に先日行われた川柳文学コロキュウム・創立15周年記念誌上川柳大会では、自由吟で選者は彼女を含め30代~80代(50代を除く)で選をしましたが、彼女自身の選ではボツにした句が他の選者では高位に入っているのを知り、「一人一人の見方がこれほど異なるものか」と痛感したそうです。 反戦反核平和詩歌句文集第25集「今こそ声高らかに―耀けみんなの憲法―」では、あかつき川柳会は川柳部門を担当し156名の方々の参加を得ることが出来ました。そして他の分野、(詩、漢詩、俳句、短歌、散文)の方々と共に秋の刊行に向けて作業は順調に進んでいます。11月上旬には投句された方々への配布も終わり、冊子(335ページ)の販売も開始できます。1冊¥1000で、遠方の方へは送料実費でお届けできます。ぜひお申し込みください。(お詫び・・・席題/兼題の選者の方々の写真の処理にミスがあり掲載できず、季節の花で代用いたしました。) | |
近い 近藤 正 選 |
(天の句) | 国境が近いそれでも同じ風 | ダン吉 |
(地の句) | 膿だらけの政権幕引きは近い | いさお | |
(人の句) | 近くにいる娘何かと小煩い | 一歩 | |
(佳 吟) | 紫陽花がもうすぐ夏とささやいて | 紀乃 | |
笑わせるまずは自分の目の前を | 茶助 | ||
近未来赤札の来る予感 | 常男 | ||
近い内きっと返すとまた無心 | 高鷲 | ||
子の命家の近くで守られず | たもつ | ||
(軸 吟) | パスポート近くて行けない国がある | 近藤正 |
明るい 了味 茶助 選 |
(天の句) | 能天気腹が減ったら水を飲む | 喜八郎 |
(地の句) | 月の裏側きっと淋しい色だろう | 美子 | |
(人の句) | 部屋中の電気をつけていて孤独 | 浩子 | |
(佳 吟) | 見通しの明るさ弾き出ぬ数字 | 立蔵信子 | |
明るい方へ背伸びしている鉢の花 | 和子 | ||
足もとの明るい内に店じまい | いさお | ||
初七日も済んだ寡婦がよく笑う | 行兵衛 | ||
満月を背に受け伸びる影法師 | 壽峰 | ||
(軸 吟) | 灯火管制とけて天井が温かい | 茶助 |
長い 長浜 美籠 選 |
(天の句) | 長い目で見てやれきっと大器だろ | 愿 |
(地の句) | 飽きもせず妻と一緒の半世紀 | たもつ | |
(人の句) | 年収がネック独身長くなる | 栄子 | |
(佳 吟) | 果も無く原発事故の長い影 | 満知子 | |
人生の長いカーブで喜寿迎え | 一文 | ||
よう持った金婚までの五十年 | 壽峰 | ||
一言が胸に刺さって長い夜 | ひろ子 | ||
長生きをしていいですか寝たきりで | 喜八郎 | ||
(軸 吟) | 道程も過ぎればすべて懐かしい | 美籠 |
煮物 荻野 浩子 選 |
(天の句) | 肉じゃがで釣り上げましたええ男 | 克己 |
(地の句) | 釜茹でにしたい財務省の輩 | 紀雄 | |
(人の句) | 煮くずれた芋と幸せごっこする | 常男 | |
(佳 吟) | 子育ても煮物もとろ火じっくりと | 蕉子 | |
さしすせそ私の得意煮転がし | 満知子 | ||
肉じゃがに苦労話を聞かされる | ますみ | ||
小鰯を煮る母さんが舟を漕ぐ | ダン吉 | ||
雨の午後豆を煮ながら手紙書く | 栄子 | ||
(軸 吟) | コンビニのおでんに愛を振りかける | 浩子 |
時事吟 日野 愿 選 |
(天の句) | 六月のシンガポールは眠らない | 茶助 |
(地の句) | ゆるしてとすがるいのちを切り捨てる | たもつ | |
(人の句) | 憲法はお飾りでなく仁王門 | 喜八郎 | |
(佳 吟) | スポーツも政治も今や千鳥足 | 一子 | |
堂々と嘘がつけたら大人です | 栄子 | ||
何一つ疑惑は晴れず梅雨に入る | 喜八郎 | ||
佐川許しても麻生は許せない | いさお | ||
総理にはならぬ私は恥を知る | 英夫 | ||
(軸 吟) | 共犯の首は切れない安倍総理 | 愿 |