あかつき川柳会第146回定例句会は9月14日(金)投句39名を含め104名の参加で開かれました。初参加は、大阪市の榎本舞夢さん、坂 裕之さん、吹田市の辻井康祐さん、南国市の横田 秀穂さん・綾子さん、八尾市の松本善久夫さん、山根 妙子さんです。今月のお話は、劇団きづがわ代表の林田 時夫さんです。以前、吉橋 通夫さんの「小説 鶴彬 暁を抱いて」読み、これを何とか劇団上演をしたいと思い、松本善久夫、佐伯 洋、西村康悦さん等に脚本化のお願いをし、12月の上演に至りました。劇団きづがわ創立55周年・第77回公演として、12月15日(土)11:00 16:00、16日(日)14:00 より、リバティーおおさか で公演されます。入場料は前売り・一般¥3,000 65歳以上のシニア¥2,500,30歳未満・障がい者¥2,000、(当日券は各¥500増)です。

最近の朝日歌壇を見ていると短歌は時事の話題を逸早く取り入れ、5-7-5-7-7にまとめているのには感心します。「カリユシの似合う新知事しなやかににこやかに踊るフラッシュのなか」(前橋市)荻原 葉月、「当選を祝いて踊る沖縄は悲しみの日も踊りと聞く」(高松市)桑内 繭、「玉城氏の当選の意味沖縄の主に負うべしオール日本が」(埼玉県)酒井 忠正、「喜びをカチャーシーにて分かち合う玉城氏とことんウチナンチュ―なり」。川柳でこそ、辺野古基地に反対の意思をはっきり打ち出して当選した新沖縄県知事が意味するものを鋭く5-7-5で表現したいものですね。

冬 の 卜 選
(天の句) 古本の中に見つけた父百円 蕉子
(地の句) 本棚の奥に私の基地がある 紀乃
(人の句) 老女には童話が性に合っている シマ子
(佳 吟) 捨てられぬ本が人格持ってくる 常男
文春と新潮ネタの鬩ぎ合い 高鷲
古本と思われしほどに鶴の本 時夫
古希過ぎて読書月間マンガ読む
摘ん読の本はやっぱり見捨てられ 近藤正
(軸 吟) 図書館で逢瀬重ねた夫はケチ 冬の卜
暮れる
八田 灯子 選
(天の句) 人生の最後を恋で終わりたい 栄子
(地の句) わたしの中で暮れていく幾多 紀乃
(人の句) 夕暮れは愛を育むための時間 千代美
(佳 吟) 夕暮れの道で涙がふとこぼれ 綾子
影伸びて抱かれていたい夕茜 一志
秋の陽は一駅ごとに落ちていく 喜八郎
哀愁が漂うたそがれの背中 浩子
ひとりでにつく街灯と黄昏る 喜八郎
(軸 吟) お休みなさい君の足許から暮れる 灯子

坂  裕之 選
(天の句) 三世代丸く操る主婦の舵 ひろ介
(地の句) いくさダメ平和は丸と孫に言う 康裕
(人の句) 丸い物四角に切って角が立つ 松井英夫
(佳 吟) ピンチには円陣組んで士気を鼓舞 高鷲
おおらかで人間臭く丸く住む 秀穂
輪が丸い誰かがやはり我慢する 常男
孫抱いて頑固な爺が丸くなる 綾子
災いを丸く治めた好々爺 壽峰
(軸 吟) まん丸に生きていきたい歪んだ世 裕之
配当
中岡千代美 選
(天の句) 七人へ喧嘩ないようママ分ける 小山恵美子
(地の句) 蛇口から税金らしきものが出る 信二
(人の句) 無配でも社員は株を手放せず 康信
(佳 吟) 毎日咲いた朝顔の種の数 満知子
低い我が家も太陽に照らされる たもつ
配当で食べてるらしい冠木門 灯子
配当はお互いさまのボランティア ダン吉
お土産を配ってやっと旅終わる 保州
(軸 吟) 収穫は芋煮にしましょ秋の畑 千代美
時事吟
松浦 英夫 選
(天の句) 山崩れ写真が見せる震度7 直子
(地の句) 島のおばあ勝つまで死ねぬ知事選挙 多代美
(人の句) 八十年没後の今日も生きる鶴 康信
(佳 吟) さくらももこが逝ってしまった虚脱感 灯子
災害よりカジノ大事で知事は行く ひろし
アメリカの都合で五輪汗まみれ 松井英夫
天辺の椅子が九条弄ぶ 秀穂
総裁選どちらもペケと書いている ダン吉
(軸 吟) 戦より災害減らすために税 英夫