あかつき川柳会第167回定例句会は6月12日(金)、3~5月に引き続き「誌上句会」として開かれました。全国32都道府県からの投句62名に加え、関西在住で日ごろは出席されている57名の方々も今回は投句で参加、総勢119名の参加となりました。 新型コロナウイルスのワクチンが実用化されるまでは、このようなアブノーマルがニューノーマルになるのかもしれませんね。政府は7月2日付けで医学的見地から助言を行ってきた専門家会議を廃止し、新たに医療・経済両立へと「分科会」設置しました。新型コロナウイルスで死ぬか、経済活動停滞により餓死するか、一時言われましたが、どうやら医学的な見地よりも産業界の圧力で経済優先にかじを切ったように見受けられます。

政府としては、第二波に対応する病床備えに不安、検査能力不十分、という現状に鑑み、私たちに「不要不急」の外出は控え(ステイホーム)、三密(密閉、密着、密接)を避けろ、マスクをしろ、新型コロナウイルス感染はあなた方の対応によりますよ、と高齢者に注意を呼び掛けています。6月の朝日歌壇には素敵な助言がありました、曰く、「使い捨てのマスクを洗ひ二枚干すお日さまの力信じて今日も(東京都・塩谷朝子)」「あのマスク何回洗ったのだろうか首相かけゐる小さめのマスク(上山市・山川ひろみ)」「コロナニモ負ケズ岩手ハゼロ続クサウイウ処ニワタシハ住ミタイ(三鷹市・山縣駿介)」
席題はありません。

(天の句)
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
ドラマ
立蔵 信子 選
(天の句) コロナ禍にお国模様が出たドラマ 蕉子
(地の句) アディショナルタイムに隠れてたドラマ いさお
(人の句) ドラマなどない人世もまた楽し 宍道
(佳 吟) ドラマチックだったな僕の人生は 櫻田秀夫
コロナニュース飽きてドラマが見たくなる 近藤正
ドラマ化が決まりあわてて本を読む 栄子
再放送でもジンとくる名ドラマ
何度でも斬られた私のドラマ 信二
(軸 吟) ささやかなドラマがあった自粛にも 立蔵信子

澤井 敏治 選
(天の句) 晴天がボクの背中を押している 立蔵信子
(地の句) 月天心辺野古の海は眠れない 里子
(人の句) 天命と言う重いもの抱いている ダン吉
(佳 吟) こんな時こそほしいなあ天の声 立蔵信子
ひたむきな人には天も味方する 北朗
終戦の空の高さを忘れない 昌芳
前向きに生きよう天窓をあけて 浩子
一人旅見方はいつも青い天 朝子
(軸 吟) 天空の月が二つにならぬよう 敏治
承諾
碓氷 祥昭 選
(天の句) 泣くことを許してくれた春の海 心平太
(地の句) 重い首縦に振らせたおなかの子 信二
(人の句) 初めてのハグからでしたダイヤ婚 和大
(佳 吟) 承諾にも消費期限があるのです 立蔵信子
先に妻約束破りデスマスク ばっは
国民の承諾も無くした戦 ひろ子
うんうんと愚痴の聞き役いつも母 川本信子
私はバラです棘がありますけど 小山恵美子
(軸 吟) これが最後と承諾をする手術台 祥昭
時事吟
加山 勝久 選
(天の句) いいですかあなたは裸なんですよ ダン吉
(地の句) 責任は一つ覚えでこの私 正康
(人の句) 二枚舌隠す程度の小マスク 河野正
(佳 吟) 二メートル離れ散歩の五月晴れ 寺井弘子
感染者数に一喜一憂する茶の間 ゆうこ
気の緩み犬抱く人に諭される 祐治ゼミ
委託して次から次へ再委託 川口武
忖度のお礼に送る退職金 古池蛙
(軸 吟) またマスクだぶ付いたころ二枚着き 勝久