あかつき川柳会第173回定例句会は12月11日に「誌上句会」として、120人が投句で参加し開かれました。◆菅内閣が発足して100日、「ハネムーン期間」も過ぎましたが支持率は87%から67%へ急降下しました。「お答えは差し控えると菅語録 近藤正」「下ばかり見ずに答弁して総理 紀乃」「コロナ禍を人災にする無為無策 万作」「トランプが去っても買うか戦闘機 進」「第三波さあブレーキかアクセルか 穏夫」「脱炭素言ってみたけど何だっけ 蒼水」と、厳しい批判が続出。◆朝日歌壇でも「学術会議在り方云々述べるのは先ず六名を任命してから 京都市 畑中 朝子」「二千人以上亡くなって政府首脳は殊更触れず 川崎市 小島  敦」」「自殺者が増え始めているテレビではGoToは得だとはしゃぎ続ける 東京都 野上 卓」と、厳しいです。

「ファッシズムが廊下曲がれば待ってます 川口 武」―――『戦争が廊下の奥に立っていた』渡邊白和泉の俳句が蘇りました。憲法改正を前面に押し出し、学術会議の任命を拒否するなど、見逃すことはできません。廊下を曲がらせるわけにはいきません。『あかつき』184号、馬場ゆうこの〈この句に思い〉から。(写真は全て『敏文庫』の一部です)
席題はありません。

(天の句)
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
さっぱり
櫻田 秀夫 選
(天の句) さっぱりとして終章は風と生き ひろ子
(地の句) 雑念を洗い流して米を研ぐ 寿子
(人の句) 失敗をのりこえさっぱりと生きる 紀乃
(佳 吟) あとくされ無くてさっぱりする別れ 壽峰
さっぱりと涙で流す恋の傷 常男
さっぱりと距離を保って老いの恋 堅坊
言い勝ってさっぱり出来る訳でない 楓楽
プライドを捨てると世間広くなる
(軸 吟) かけ流し温泉に行きさっぱりと 櫻田秀夫

坂  裕之 選
(天の句) 受け皿になれずごめんと後継者 康信
(地の句) 盛り付けを絵で描くように白い皿 朝子
(人の句) しあわせに見えてはいるが飾り皿 保州
(佳 吟) 高級店見事な皿にちょっぴりと 太郎
下記栗ぶどう盛って絵になる秋の皿 浩子
受け皿のちがうポイステしないでね 満智子
目を皿にあまりの低さ預金利子
皿が待つ越前蟹の茹で上がり はこべ
(軸 吟) ミス出たら受け皿になる覚悟決め 裕之
順調
片岡 加代 選
(天の句) 三分粥五分粥生死超えたオペ 裕之
(地の句) 貧乏っていいな相続揉めもせず 美春日
(人の句) 順調に行けば百歳夢でない 征之
(佳 吟) 順調な老いに逆らう好奇心 満智子
再診日主治医がくれた御墨付 里子
順調にはやぶさ2が飛ぶ宇宙 勝久
順調に育った証し反抗期 北朗
喜寿傘寿元気溌剌老夫婦 壽峰
(軸 吟) 力強い羽ばたき巣立つ日も近い 加代
時事吟
三宅 保州 選
(天の句) コロナ後に会う約束の年賀状 川本信子
(地の句) マスクしてサンタクロースやって来る 常男
(人の句) 自粛する事をコロナに教わった 裕之
(佳 吟) コロナ禍で儲かる人と辞める人
日本茶でほっとひと息自粛中 寿子
パンデミックどこまで続く泥濘ぞ 勝久
結局は何でしたんや都構想 一志
一年の計を果たせず年暮れる 寺井弘子
(軸 吟) 地球から戦争無くすのが願い 保州