あかつき川柳会の第174回定例句会は投句による「誌上句会」として116人が参加し1月8日に開かれました。初参加者は長野県飯田市の春野 花さん(10歳)です。「最初からやらなきゃいいのにGoToを」と詠み入選。これを機に、川崎市の同人から提案のあった小中高の生徒を対象にした「ジュニア川柳蘭」構想も開けてくるかもしれません。◆最近の朝日歌壇には「危機感を共有せよと危機感のない大臣が国民に言う(観音寺市 篠原 俊則)」「メルケルの言葉の響き『ガースー』の受けねらいせし虚しき笑い(埼玉県 島村久夫)」「センセイの指示が出たからやりました秘書もたまには言えば良いのに(甲州市 麻生 孝)」学術は僕であると見做されてその忠誠が求められ行く(筑紫野市 二宮正博)」等々と、厳しくせいじをひはんしています。

同じように感じつつも五七五の川柳で詠み切れなかった自分自身が歯がゆくなりましたが、嬉しいことに1月句会の投句中にも「案の定秘書が秘書がで茶を濁す(北朗)」「国民は会食自粛僕は別(一行)」「嘘にうそウソを重ねて不起訴とは(万作)」「答弁にならぬ答弁恥もせず(もと)」「この年金言われなくとも自粛する(安保子)」等々がありほっとしました。◆合法、違法すれすれな行為を繰り返しつつ、少々非難されても謝ったら良いし,それでもだめなら「皆様に迷惑を掛けました」と頭を下げ、役職を辞し、党籍を離れておれば、次の選挙にはもう誰もそんなことを覚えていないだろう、甘く見られてはなりません。


(天の句) 席題はございません。下記は写真の説明です。
(地の句)   冬のコロナ禍の寒々とした白浜
(人の句) ⋆看板を見ながら車を走らせました。
(佳 吟) ⋆泊まったホテルは別館のみ営業
⋆アドベンチャーワールドもひっそり
⋆とれとれ市場はしばし休業
⋆白浜空港は朝の一便だけ
⋆春を(暁を)待つハマユウ
(軸 吟)
わくわくすること
天根 夢草 選
(天の句) 山動くそんな選挙をしませんか 一歩
(地の句) 妄想の恋をするのも悪くない 櫻田秀夫
(人の句) 福袋何が入っているかしら 心平太
(佳 吟) 今日あたり『あかつき』届くかもしれぬ
バーゲンで目当ての品へまっしぐら 福貴子
大安に連番で買う宝くじ
耳打ちされる誘いその気になる動悸 小山恵美子
歯車の合った熟女と飲む今宵 堅坊
(軸 吟) 新しい目で待っている初日の出 夢草

西出 楓楽 選
(天の句) 転ばない九条と言う太い杖 ひろ子
(地の句) 逆転へコツコツためておく力 立蔵信子
(人の句) コロナ禍の地球の自転軋み居り 心平太
(佳 吟) 転移なし仏に見える医者の顔 征之
幸せの手前になると4句転ぶ 寺井弘子
何回も転んだ割に角取れず 太郎
コロナ禍で転迷開悟粛々と 川本信子
エネルギー転換せねば地球危機 近藤正
(軸 吟) ときどきは転んで周り確かめる 楓楽
支度
岩田 明子 選
(天の句) 旅支度恋の新芽も期待する 蕉子
(地の句) 楢山を登る脚力つけている 栄子
(人の句) 天命は預けて支度などしない 比呂志
(佳 吟) 万端の準備きっちり雨が降る 保州
自粛中イメージだけの旅支度 河野正
人世百歳支度は要らぬ自然体 九条男
老い支度先ずは肩書から捨てる 楓楽
派手を買いさぁ退院へ身構える 和子
(軸 吟) 穏やかな曲を選んで寝る支度 明子
時事吟
岩佐ダン吉 選
(天の句) 支え合い励まし合って生き残れ 心平太
(地の句) 三人と四人に分けてする宴会 勝久
(人の句) スマホですか原稿ですか菅総理 常男
(佳 吟) GoToのチラシ丸めてゴミの中 昌芳
ワクチンの実験台に高齢者 康信
右上がり血圧コロナ消費税 チョロ水
長生きはするなと2割負担させ
世知辛い世も梅林は凛と咲く 鉄心
(軸 吟) コロナ禍にヒト科の絆試される ダン吉