あかつき川柳会第178回定例句会は、5月12日に誌上句会として119名が参加し開かれました。初参加は八尾市の松本喜久雄さんと神戸市の宮本 緑さんです。新型コロナウイルス禍もすっかり常態化し、マスコミは連日都道府県別の新規感染者数と死亡者数、遅々として進まぬワクチン接種の状況、そして医療の切迫を報道しています。「誌上句会」に参加されている方々や、必要最低限の人数で川柳会の運営に努力されている方々にエールを送ります。それにしてもこのような事態でいまだに東京五輪・パラリンピックを推し進めるのは狂気の沙汰ではないでしょうか。

あかつき川柳会創立20周年を記念して「合同句・文集」を企画しており、皆様方の参加を歓迎いたします。あなたが残しておきたい句、すでに発表されたもの、新規発表を問わず15句を自選、又それ以外にエッセイ、川柳に関して、当会へのご意見などを400字にまとめご投稿ください。締め切りは6月30日、用紙は当事務所より郵送しますのでお知らせください。参加費は¥2000で、発表誌2冊を贈呈いたします。9月14日の鶴彬忌には発行する予定です。
席題はありません。

(天の句)
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
スマート
青木 公輔 選
(天の句) スマートな彼が平気で嫌味言う 祐之
(地の句) 恋終わるせめて別れはスマートに 一志
(人の句) すっきりと話して会を締めくくる 祐之
(佳 吟) 立っているだけでスマートだと判る 紀乃
見てごらんツツジの色の優しさよ 寿子
身のこなしスマートすぎて近寄れず 松井秀夫
スマートフォン持ってないけどよろしくね 春雄
一瞬の夢追いかける流れ星 寿子
(軸 吟) スマホからポロリと恋のひと雫 公輔

大内 朝子 選
(天の句) 幸運とばったり出会う曲がり角 みつこ
(地の句) 正直に生きようとして角が立ち 古池蛙
(人の句) 転職のあの日が曲がり角だった いさお
(佳 吟) 居酒屋の角に親父の駅がある 常男
快気祝角樽と来る飲み仲間 ひろ子
風雪に耐えた老舗の尾骶骨 信二
ぐっすりと眠る妻に角がない 櫻田秀夫
あの角を曲がれば我が家見えてくる 松井秀夫
(軸 吟) ぶつかって角もまあるくなる絆 朝子
思案
竹村 穏夫 選
(天の句) 灰皿に何度も思案押しつける 常男
(地の句) 原発の海思案重ねて漁師継ぐ 川本信子
(人の句) 能なしの鳩首会談出ぬ思案 克己
(佳 吟) 使いやすい核兵器などありますか ダン吉
考えが浮かばず思案投げ首に 松井秀夫
やり繰りの思案限界派遣切り
ワクチンを打つか打たぬか物思い 松井敏子
思案など無駄だと走り出す若さ 楓楽
(軸 吟) とことんまで変えない積もりガラケー派 穏夫
時事吟
磯島福貴子 選
(天の句) 人権は鴻毛のごと瑞穂国 渓節
(地の句) ワクチンを輸入に頼るたよりなさ 紅絵
(人の句) 気がつけば何でも下位の日本国 博美
(佳 吟) 投票法に菅改憲の芯が見え 五二
モリカケをコロナでみんな忘れそう
百歳を八十歳が介護する 征之
国政を変える共闘春の風 和恵
変異株日本の無策嗤ってる 光子
(軸 吟) 救急車での待機延々無事祈る 福貴子