あかつき川柳会第179回定例句会は、117名が投句で参加し先月に引き続き誌上句会として6月9日消印有効で開かれました。初参加は生駒市の稲葉良岩さんと大阪市の井上昌紀さんです。昨年3月よりコロナ禍の影響を避けるための臨時処置として始まった「誌上句会」も16回目となりました。最近の感染状況を見ますと以前よりも感染力が強い新型コロナウイルス、デルタ型の割合が高まっているそうですから、多分年内は「誌上句会」を続けざるを得ないと思われます。毎日暑い日々が続いていますから、皆さまに置かれても外出は最小限に抑えて健康により以上の注意を払われたほうがいいと思います。

あかつき川柳会の創立20周年記念「合同句・文集」への応募は締め切られましたが、句集には211名、文集には63名の方々が参加されました。9月14日の鶴彬忌を目指して発行すべく編集作業にかかっていますが、暑いうえにコロナ禍のため最小限のスタッフが事務所と在宅で作業をしています。ご期待ください。
席題はありません。

(天の句)
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
まさか
井上 一筒 選
(天の句) 飲んでから気がつく去年のカルピス 立蔵信子
(地の句) お嬢さんと呼ばれたようで立ち止まる 寿子
(人の句) まさかの時はやっぱり金が物言うで 北朗
(佳 吟) サイレンが我が家の方へ突っ走る 祥昭
止まってた終末時計が動き出す まさあき
内科医が毎日アロエ噛んでいる 和大
お早うの君が夕には舎利となる
日本沈没ポツンと残る富士山頂 美春日
(軸 吟) 朝は和尚夕方はラッパー 一筒

藤井 宏造 選
(天の句) 退職をしても首輪の跡がある 保州
(地の句) ちひろの絵輪郭線のないわらべ 近藤正
(人の句) 輪の中で安堵している寂しがり 朝子
(佳 吟) ぬかるみに残る轍の人生苦 満智子
おもてなし五輪の声はかすれてる 恵美子
輪の中にユダが潜んでいた悲劇 比呂志
輪になれば不思議と力湧いてくる 峯二
マドンナの手前で終わるオクラホマ 佑治ゼミ
(軸 吟) だいたいはすぐ漏れる内輪の話 宏造
洗濯
碓氷 祥昭 選
(天の句) あかぎれの母を救った二層式 川本信子
(地の句) 真っ白に洗うとボクが消えていく 信二
(人の句) 物干しで風に縺れている家族 北朗
(佳 吟) 帰省の子洗濯物が先届く ひろ子
煤ぼけた脳の洗濯秘境の湯 里子
梅雨晴れ間満艦飾に干してある 穏夫
縄のれんサラリーマンの洗濯場 栄子
耐えて耐えて耐えて心の傷洗う 公輔
(軸 吟) 一票で選択したい永田町 祥昭
時事吟
加山 勝久 選
(天の句) 一瞬のチクリ待つ事一時間 壽峰
(地の句) 長生きで親も子供も認知症 小鉄
(人の句) 捨て石にされた人骨基地に捨て 近藤正
(佳 吟) 打ち勝った証のかけら見当たらず 蒼水
薄めても流せば同じ汚染水 則男
不祥事がバレるとすぐに入院し 北朗
抽せんだ先着順だとエゴイズム 比呂志
菅下ろしまだかまだかの週刊誌 髙鷲
(軸 吟) あの方は撃チテシ止マム五輪まで 勝久