2月定例句会は119名の投句により開かれました。新型コロナ禍は既に3年、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を開始してはや1年。日がたつにつれだんだんこれらを詠む時事吟の減少が気懸かりです。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い2020年3月句会より3年間、投句形式による誌上句会を開催してきました。新型コロナを5月8日よりインフルエンザなどと同じ「第5類」に引き下げ、また最近の大阪府下の感染者状況の大幅な改善を考慮し、4月句会より会場での句会再開を決定しました。


(天の句) 席題はありません。
(地の句)
(人の句) 写真はすべて庭の花です。いまはツバキが
(佳 吟) 真っ盛りで、木の下に散らばっている花びらも綺麗です。
(軸 吟)

八田 灯子 選
(天の句) ストックが香る窓辺のビバルディ 里子
(地の句) 鍋肌にトロリ仕上げのごま油 蕉子
(人の句) 大の字で嗅ぐ張り替えた畳の香 北朗
(佳 吟) 移り香のしみたハンカチ返せない 松井敏子
石鹸の香りが隠す罪ひとつ 常男
土の香が一杯無人販売所 保州
夏の香がほのかに残る麦帽子 和郎
呑兵衛の鼻腔くすぐる新酒の香 紀子
(軸 吟) 残り香に顔を埋めて泣いた日よ 灯子
命令
古今堂蕉子 選
(天の句) 命令に叛いて国を捨てました 克己
(地の句) 命じても猫も娘も馬耳東風 勝久
(人の句) 命令に叛いた果ての彬の死 紀子
(佳 吟) 妻命令素直に聞ける歳となり 郁夫
軽く命令もうパワハラと騒ぎ立て 麻也
コロナ禍の自分に課して日々散歩 長島敏子
免許返納家族全員下知をされ 高鷲
上位下達令和の世にも吹き抜ける
(軸 吟) 命令に是々非々通す強さ持つ 蕉子
メイク
油谷 克己 選
(天の句) 車内ですここは楽屋じゃありません 宍道
(地の句) 長嶋のメイクドラマもセピア色 河野正
(人の句) エンディングメイクで母にありがとう 川本信子
(佳 吟) ノーメイクの方がきれいよ娘さん 康信
メイクしているのはヒト科だけですよね 保州
リメイクの後もタンスで眠る服 眞澄
ノーメイクにやっと夫が安堵する 高鷲
反戦の眉チャップリンのメーキャップ 寿子
(軸 吟) 男までメイクをしてる平和ボケ 克己
時事吟
鈴木いさお 選
(天の句) 強盗の求人欄もあるネット 眞澄
(地の句) これ以上増やしたくない献花台 公輔
(人の句) 太陽光パネル破損で汚染米 冬の卜
(佳 吟) 金出せば子ども増えると思ってる 直子
正月はおせち高くてカップ麺 善之
コロナ禍はきっと人災だと思う 文擴
連立も宗教絡み金絡み 正康
日当10万ヤバイ仕事に決まっている 克己
(軸 吟) 支援すればするほど戦終わらない いさお