あかつき川柳会の7月句会は、出席者39名、投句者64名、総勢103名の参加で7月12日に開かれました。初参加は選者をされた芦屋市の筧  靖夫さん、吹田市の野間優子さん、枚方市の藤村亜成さんです。

今月のお話は、あかつき川柳会の冬の卜が、「更生するってどういうことか」について話しました。刑務所から2020年に釈放された4万人の内再犯者は約50%。なぜこのように再犯者が多いのか?いわゆる釈放された人が更生するとは、釈放後、定住先があり、定職について自立、そして再び犯罪をしない事なのだが、現状は彼らをサポートする体制がまだままだ間なところが問題。(詳しくは「あかつき」227)
席題 傘
西出 楓楽 選
(天の句) 待つことに慣れた私は忘れ傘 柾子
(地の句) アメリカの傘当てにせず当てにする 亜成
(人の句) 傘のしずく切りここからは母の顔 賀世子
(佳 吟) 雨上がるやっぱり傘は置いてきた いさお
雨雨雨アジサイ寺は傘の華 賀世子
意地っ張りはじき飛ばした母の傘 昌代
おばちゃんのサスべエ人混みも平気 克己
杖にしてます晴れでも傘は持ってます 灯子
(軸 吟) ビニール傘ほどの存在感は欲し 楓楽
いさぎよい
八田 灯子 選
(天の句) ふられても平気次のを探します 六点
(地の句) 隠しだてしません実はカツラです いさお
(人の句) 焼いてくれ煮てくれワルの大胡坐 欣之
(佳 吟) ノーサイド敵を讃えて涙拭く
ノーサイド交換しあうユニホーム 克己
好きにせい俎板で待つ魚の目
あんな男いらんと女いさぎよい
つまみ食いしたのは僕の仕業です いさお
(軸 吟) じゃあっと先に踵返したのは女 灯子

藤村 亜成 選
(天の句) 気の置けぬ同士だ酒だもう祭 賀世子
(地の句) 想定はしてぬ猛暑の夏祭り 洋次郎
(人の句) 祭終え独りの寂が背を包む
(佳 吟) 姦しい浴衣祭りを謳歌する 柳伸
念入りに夏越の祭りした八十路 鈍甲
お囃子はテープで流す村祭り 和織
火祭りが二人の仲を掻き立てる 高鷲
ワッショイでノスタルジアを描き出す
(軸 吟) 鳴り響く太鼓に動き出す手足 亜成
追い風
小川賀世子 選
(天の句) そばに居るだけで追い風になる笑顔 朝子
(地の句) 追い風に乗ってる時の無神論 六点
(人の句) 追い風に乗れず達磨の目は片目 和代
(佳 吟) 凡庸の身ここで追い風ありがとう 崇明
追い風の得手に帆上げた落とし穴 欣之
追い風に頼らず自ら風起こす 宍道
どの風も追い風として前へ行く はな
追い風の言葉母の大丈夫 朝子
(軸 吟) 青青青信号までも味方する 賀世子
時事吟
川端 一歩 選
(天の句) 庶民には痛い郵送料値上げ 浩子
(地の句) 天辺が見えぬ異常な物価高 壽峰
(人の句) 巡り来る夏原爆忌終戦忌 克己
(佳 吟) 万博はやめて今すぐ能登支援 峯二
パリ五輪選手に負けず熱くなる 柾子
裸のまま座り続けている総理 崇明
若者の自殺は国のせいですよ 泰子
右傾化の地球左へ引っ張ろう 欣之
(軸 吟) 岸田さん支持は落ちても軍拡へ 一歩