あかつき川柳会の8月句会は出席者31名、投句者60名、総勢91名の参加で8月9日に開かれました。初参加は御話之講師で奈良県葛城市の岩下美佐子さんと八尾市の木下丈彦さんです。

お話は治安維持法国家賠償要求同盟の国際部長・岩下美佐子さんが「今、子どもたちの教科書は」についてです。文科省の検定基準は「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解、又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それに基づいた記述をする」で、教科書会社はそれに従わざるを得ない。

荻野 浩子 選
(天の句) カチ割で祝う百寿の甲子園 北朗
(地の句) 地球の悲鳴か氷河のきしむ音 和織
(人の句) 南極の氷を配り票にする 万作
(佳 吟) 非正規に氷のクサビ年度末 多代美
白熊の彷徨氷ないですか ダン吉
氷山溶かし島を沈めるエルニーニョ いさお
かき氷暑中見舞いの絵手紙に 奈津
一献で氷解をしたわだかまり 楓楽
(軸 吟) オバケよりふるえる凍りつく地震 浩子
ノウハウ
廣田 和織 選
(天の句) ノウハウは愛の一字と言う介護 ダン吉
(地の句) 手引き書をはみ出し伸びてゆく個性 川本信子
(人の句) ノウハウは無いがともかく生きている 洋次郎
(佳 吟) スマホから恋の手解きして貰う 北朗
ノウハウは我慢我慢で夫婦です 千鶴子
金儲けのノウハウ垂れている詐欺師 克己
ノウハウは職人の汗町工場 黒兎
八十路来て生きるノウハウまだ知らず 勝久
(軸 吟) 願ってもノウハウは無いピンコロリ 和織

鈴木いさお 選
(天の句) ボクだよと知覧の浜に夏蛍 多代美
(地の句) 土石流蛍の里を根こそぎに 柳伸
(人の句) 廃屋の村に蛍が乱舞する ダン吉
(佳 吟) 蛍来いあっちの水は汚染水 常男
蛍からきれいな水を迫られる 峯二
蛍となり屹度わたしに会いに来よ 紀子
儚げな恋に身を焼く雪蛍 北朗
過疎進む蛍養殖村おこし 楓楽
(軸 吟) 蛍の光で本を読むのは無理 いさお
補欠
冬の卜 選
(天の句) 米軍の補欠の如き自衛隊 征之
(地の句) へそくりが補欠でおれぬ諸費値上げ 楓楽
(人の句) 古希過ぎりゃ補欠扱い亭主殿 啓之
(佳 吟) 再外食ずっと補欠でいておくれ 楓楽
補欠枠からやっと手にした彼氏の座 和織
内角は補欠のような人ばかり 佑治ゼミ
七十は年寄り会でまだ補欠 和織
副、代理、次が付いてる退社後も 太郎
(軸 吟) 会社でも補欠扱い抜けれない 冬の卜
時事吟
加山 勝久 選
(天の句) 妻の顔見ると失職言い難い 冬の卜
(地の句) 非核化を唱え指先核ボタン 壽峰
(人の句) 戦争を無くす知恵無き二千年 さんが
(佳 吟) 核のごみ疑心暗鬼が町を割る 英雄
ひまわりの意地です絶えている酷暑 浩子
小六の誓い胸つくヒロシマ忌 みつこ
脛に傷持つ者ぞろり公認し
大変の序曲だろうか震度六 六点
(軸 吟) 四万人殺しに平和語らせない 勝久