あかつき川柳会9月句会は、出席38名、投句61名の参加で9月13日に開かれました。初参加は宝塚市の山河さんがさんと選者をされた枚方市の栃尾奏子さんです。

今月の「お話」は、あかつき川柳会の幹事長・冬の卜が「刑事施設と人間模様」と題して、刑事施設について、犯罪者について、いろいろ話しました。詳しくは「あかつき」229号 2024年10月号を参照してください。
花火
奥澤洋二郎 選
(天の句) 病窓の花火母手鏡に映してる 惠美子
(地の句) 空襲がふとよむがえる遠花火 楓楽
(人の句) 被災地の復興祈る大花火 壽峰
(佳 吟) PLの花火も一度見たかった いさお
愛だ恋だと騒いだ頃も遠花火 北朗
本物の花火見せたいガザの子に 一歩
総裁選改憲花火次々と つよし
鎮魂の献灯となる大花火 北朗
(軸 吟) 音だけを聞いた花火で終わる夏 洋二郎
きっと
栃尾 奏子 選
(天の句) よく笑うきっと寂しい人だろう 楓楽
(地の句) きっと来る思いが募るザクロの朱 柳伸
(人の句) かき氷夏の終わりを知っている 立蔵信子
(佳 吟) きっと光るだってわたしの子ですもの 六点
歳とったと嘆くななれぬ人もいる 惠美子
約束の小指わたしを裏切らぬ 栄子
人生の最期も君と純喫茶 心平太
核ボタンきっとネズミが押すだろう 高鷲
(軸 吟) 武ちゃんはきっとワタシの王子様 奏子

森松まつお 選
(天の句) 世界は広い武器をもたない国がある 一歩
(地の句) 真っ白の器を持った呱々の声 楓楽
(人の句) お宝と知らずにポチの飯茶碗 いさお
(佳 吟) 欠け茶碗次々増えるあんたでしょ 博美
一対の湯飲み茶わんにある歴史 ひろ子
縄文の土器に古代の息遣い 壽峰
不器用に生きた証の太い指 楓楽
合掌のその手に人が武器を持つ 常男
(軸 吟) 炎上のSNSはほぼ凶器 まつお
芝居
小山惠美子 選
(天の句) 何度でも騙されてやる母心 加お里
(地の句) 人間の芝居全うした柩 欣之
(人の句) 本物はライトが消えてからの顔 みち子
(佳 吟) 潮時の嘘はコロコロよくしゃべる 奏子
見えすいた芝居で父の隠す嘘 高鷲
世渡りへ作り笑いもして平和 朝子
ヒロインは僕のとうさん芝居村芝居 佑治ゼミ
札束を見ると小躍りするわたし 加お里
(軸 吟) 寄り添うて芝居もうまく夫婦独楽 惠美子
時事吟
こはりつよし 選
(天の句) 戻る場所が戦場というアスリート 惠美子
(地の句) 40度今ゴキブリが死にました 奏子
(人の句) 猛暑日にお節のチラシもろてくる まつお
(佳 吟) 惨殺の子までハマスと言い捨てる ダン吉
あらためて米に感謝のコメ不足 立蔵信子
パリ五輪見ずに戦死の子らがいる 文擴
認知症テスト怖くて受けられぬ 楓楽
裏山が凶器に変わる雨の量 和織
(軸 吟) 虐殺を支持する米と統合化 つよし