あかつき川柳会1月句会は出席33名、投句65名の参加で、1月10日に開かれました。   紅白の饅頭喰らい初句会 - 勝久

今月の「お話」は、阪神淡路大震災から30年にちなみ、川端一歩さん(当会の顧問)が「阪神淡路大震災について」と題して、「川柳大阪」に掲載の大阪交通局川柳会の仲間が詠んだ句と、朝日なにわ柳壇掲載の川柳を紹介されました。

北出 北朗 選
(天の句) 裏金をつつく氷山の一角 六点
(地の句) 記事だらけの能登に容赦のない氷雨 加代
(人の句) 初恋は氷砂糖に似た甘さ
(佳 吟) グリーンランド米中露の鬩ぎあい 栄子
氷より冷たい政治まだ続く 一歩
ライバルノジョークの刺に氷りつく 楓楽
氷のよう何と悲しい言葉なの 昌代
啄木も思う氷の里がある ダン吉
(軸 吟) 地球から氷河を削る温暖化 北朗
物語
岩佐ダン吉 選
(天の句) 物語にしてはならない原爆禍 一歩
(地の句) 肩・背中 膝まで加齢物語る 啓之
(人の句) 掌はわたくしだけの物語
(佳 吟) パンドラの箱だった彬のものがたり 加代
気をつけの姿勢で開いている哀史 昌代
1年のブランク綴る震災後 柳伸
千年をかけて風雪耐える杉 栄子
悔しさを濡れた枕が物語る 六点
(軸 吟) 核戦争ヒト科が居たと書いてある ダン吉
「未来に残したい事」
西出 楓楽 選
(天の句) 最後には人の情けがものを言う 立蔵信子
(地の句) 睦まじくジュゴン親子の暮らす海 佑治ゼミ
(人の句) 川柳が必須科目になる時代 一歩
(佳 吟) これまでに僕が貰ったラブレター 六点
テンツクテン祭り囃子と笛の音 はこべ
AIもいいが自分で考える つよし
瀬戸内のちりめんじゃこをぜひ残す 三成
日本の文化だ年賀状を出す 栄子
(軸 吟) 未来永劫日本よ四季の国であれ 楓楽

片岡 加代 選
(天の句) 地も揺れず飛行機飛んだ三が日 崇明
(地の句) 複雑な思いで新春を祝う能登 いさお
(人の句) おう今日も月が顔出す日は沈む 春雄
(佳 吟) ケロイドは消えぬが嬉し平和賞
祝杯を上げる戦が終わったら 北朗
祝米寿本気で言うておりますか ダン吉
祝いたい祝いたくない誕生日 壽峰
にらみ鯛徳利は多いほどが良い 柳伸
(軸 吟) 金粉があったあったと祝い酒 加代
時事吟
加山 勝久 選
(天の句) 表現の自由で金が口塞ぐ 蒼水
(地の句) 喪中ハガキ笑顔が浮かぶ同級生
(人の句) 昭和百年生き抜き旨い酒を酌む 克己
(佳 吟) 卒寿過ぎ図々しくもまだ生きる
初詣で絵馬に手取りのアップ書く 丈彦
人恋し賀状終いに墓終い 是文蘭
オスロより折り鶴飛ばすヒダンキョウ 河野正
戦争も民営化され利潤追う 昌芳
(軸 吟) 腐っても鯛に寄り添い核の傘 勝久