あかつき川柳会の3月定例句会は、出席者36名、投句者51名、総勢87名の参加で3月14日に開かれました。12月末以来入院していた冬の朴新会長が車椅子で参加、会長の就任の挨拶をしました。

飾り飾り
久世 高鷲 選
(天の句) 飾り気のない彼だから慕われる 裕之
(地の句) 七回忌遺影はずせぬ飾棚 柳伸
(人の句) ひな祭りしまい遅れてまだ未婚 福貴子
(佳 吟) 卒寿は卒寿飾りつけても隠せない 鈍甲
首の皴着けても消せぬ首飾り 啓之
飾るだけ飾り見え張る参観日 壽峰
あの専務ただの飾りだ何もせん 鮎子
耳飾り揺らし小走り逢いに行く 栄子
(軸 吟) 涙ぐみ静かに去ったイヤリング 高鷲
代筆
川端 一歩 選
(天の句) 代筆も核廃絶を訴える 柳伸
(地の句) サンタへの代筆孫に頼まれる 六点
(人の句) 妻宛の詫び状友に依頼する 高鷲
(佳 吟) 米国の代筆してる自民党 ゼミ
日記まで母の代筆夏休み 征之
代筆でブーチンに出す抗議文 鈍甲
祐筆家の書体は太閤手紙 浩子
代筆は不要下手でも味がある 栄子
(軸 吟) 代筆の名手はきっと曽良だろう 一歩
ぎこちない
稲葉 良岩 選
(天の句) 老々介護介護する人される人
(地の句) オタオタとしながら老いのセルフレジ 浩子
(人の句) あかんなあ嘘言うてるのすぐわかる
(佳 吟) 本命に義理チョコですと押し付ける 眞澄
初めてのフォークダンスと初キッス 心平太
落とす撒く散らかすこぼす老いの手は 太郎
動かない足をつかんで車椅子 冬の朴
ゲンマンの指ぎこちなく揺れている 昌代
(軸 吟) 鈍色の景色と話すふりしてる 良岩

鴨谷瑠美子 選
(天の句) ウリ坊を育てる母は撃てません いさお
(地の句) 何事も猪突猛進気を抜かん 裕之
(人の句) ウリ坊の突進に見る生きる術 ダン吉
(佳 吟) 猪突猛進神様の行き過ぎる 眞澄
我妻は亥年生まれでしおらしい 鈍甲
縞シマも消え瓜坊の独り立ち 北郎
猪口一杯言いつつ腰を落ち着ける 近藤正
あの頃の猪突猛進わが美学 河野正
(軸 吟) ぼたん鍋丹波篠山へとグルメ 瑠美子
時事吟
こはりつよし 選
(天の句) 関税のかけ合い民を苦しめる 栄子
(地の句) 復興のゴール描けぬ震災忌 渓節
(人の句) つば九郎逝きて傘さす涙雨 ゼミ
(佳 吟) バナナとはちやうで万博チケットは
ミャクミャクの不整脈の音きしんでる
欲と欲絡んで続く詐欺被害 常男
年金者大幅賃上げカヤの外
どこにでも老朽下水危険道 万作
(軸 吟) ネットデマ拡散をして人が死に つよし