あかつき川柳会第132回定例句会は投句32名を含み103名の参加で、7月14日(金)に開かれました。初出席は京都市の前中一晃さん、初投句は美作市の大杉敏夫さんと生駒市のこはりたけしさんでした。この日のお話は「坂口喜一郎を顕彰する会」の古久保暢男さんが「反戦水兵・坂口喜一郎の世界」と題して、鶴彬と同時代に海軍で反戦活動をし、治安維持法違反の罪で逮捕され虐殺された水兵・坂口喜一郎の足跡を話されました。生家の没落に加え1928・3・15 日本共産党大検挙、山本宣治の刺殺、労働農民党等の結社の禁止、世界的大恐慌の発生により深刻な不況、失業、労働争議等に目を向けざるを得ない状況にあったと思われます。呉海兵団に入団した坂口喜一郎はプロレタリア文学の雑誌「戦旗」の購読もし、仲間と社会科学の研究会を開いていました。 1931年9月、柳条湖事件を機に満州事変が起こりましたが、その一か月前に坂口喜一郎等五名が社会科学研究会を続けていたことが治安維持法違反として逮捕、よく10月に違反の証拠が取れないままに「赤化思想信奉者」のレッテルを張られ海軍追放になりました。呉海軍の水兵に向けた「聳ゆるマスト」は1932年2月に創刊されましたが11月の一斉検挙により6号で停刊となりました。東京へ移り反戦活動を続けていた坂口は「第三次弾圧事件」に関連し逮捕され広島刑務所へ送られ取調べでの黙秘を貫き1933年12月27日獄死しました。 | |
番号 嶋澤喜八郎 選 |
(天の句) | 一位より人の痛みが分かる二位 | 武志 |
(地の句) | 番号で呼ばれ個性も失せていく | 紀乃 | |
(人の句) | 私が私でなくなるマイナンバー | 敏子 | |
(佳 吟) | 赤紙がマイナンバーになる不安 | 壽之 | |
番号で呼ばれ消えていく個性 | 栄子 | ||
好きな女順に番号付けてある | 恵美子 | ||
マイナンバー墨入れました左手に | 清 | ||
成績順に並ばされ小さくなる | 久美子 | ||
(軸 吟) | 二番手でいいブービーでかまわない | 喜八郎 |
遠い 足立千恵子 選 |
(天の句) | 遠くから励ましてくれる鶴彬 | 武 |
(地の句) | ピカドンを遠い話にしてならぬ | 隆昭 | |
(人の句) | 八月六日語り継がねば黒い雨 | たもつ | |
(佳 吟) | 見守りは近づき過ぎず遠すぎず | 敏子 | |
人類の平和共存遠い夢 | 喜代志 | ||
遠い日の記憶の中の焼夷弾 | いさお | ||
胸奥にある千人針の記憶 | 浩子 | ||
兄弟も介護となると遠くなり | ひろし | ||
(軸 吟) | ごはんだよ遠い二階の子にメール | 千枝子 |
人生 前中 知栄 選 |
(天の句) | 百年を生きてまだ見ぬ夢がある | 和子 |
(地の句) | 嫁はんは幸せかって僕に聞く | 櫻田秀夫 | |
(人の句) | 七十五の線引き意地で生きてやる | 直子 | |
(佳 吟) | 毎日を僕が主役で歩んでる | ダン吉 | |
人生の切狂言の幕が開く | 朝子 | ||
人生のプラス寄り道回り道 | 寿之 | ||
人生の秋には秋の好さがある | 北朗 | ||
もう二度とあんたはごめん言われとる | 櫻田秀夫 | ||
(軸 吟) | 蝉しぐれ明日は我が身と知る骸 | 知栄 |
夜 山野 寿之 選 |
(天の句) | 悦びや哀しみ夜が深くする | 鈍甲 |
(地の句) | 飛火野の幽玄に酔う薪能 | 朋子 | |
(人の句) | 不夜城は熾烈な戦棒グラフ | 清 | |
(佳 吟) | 天の川今日も天気だ青テント | 近藤正 | |
夜の教会マリアが釘を抜いている | 美子 | ||
けたけたと都会の夜の泣き笑い | 克己 | ||
星が降るそれだけの村抱いている | ダン吉 | ||
仰ぎ見る星降る夜のファンタジー | 壽峰 | ||
(軸 吟) | 夏の夜に夢満開の大花火 | 寿之 |
時事吟 前田 紀雄 選 |
(天の句) | 災は自分と気付かない総理 | 栄子 |
(地の句) | 暁を抱いて劉さん天国へ | 茶助 | |
(人の句) | 独裁者時も汐とも返る頃 | 善之 | |
(佳 吟) | 女性でもあんな女性はゴメンです | 直子 | |
十代の活躍日本弾みだす | 照子 | ||
ヒアリより世論が怖い安倍総理 | 都武志 | ||
核禁止被曝の国が何してる | ダン吉 | ||
特捜も司法も付度する世相 | 哲男 | ||
(軸 吟) | 解散になれば国民ファーストに入れる | 紀雄 |