あかつき川柳会の第135回定例句会は10月13日(金)、投句42名を含め99名の参加で開かれました。今月の「お話」は、「地獄・餓鬼・畜生」と題して、大阪市西区の最勝寺住職、佐野彰義さんがされました。法然、親鸞、日蓮等が輩出した鎌倉時代においては、宗教は貴族中心のもので当時の人口の大部分を占める農民は対象外でしたが、親鸞はそのような教えでは駄目だと29歳の時叡山を下り、南無阿弥陀仏と念仏を唱えるだけで誰もが救われると唱え教えは一挙に広まりました。既成の宗派の人たちはこれに困り果て、叡山に訴え、親鸞は直江津に流罪となりました。流罪が解けた後は、叡山に戻らず関東で教えを広め、書物にもまとめて出しています。 戦時中は浄土真宗も含めほとんどの宗派は戦争推進に協力しましたが、その後二度と戦争には協力しないと声明しています。天皇暗殺事件をでっちあげ大逆事件で捕らわれた高木顕明という浄土真宗の僧侶は最近名誉回復されました。また、戦争中に出征兵士を送る行列が寺の前を通る時に「戦争は罪悪である」と唱え逮捕された僧侶もいたとのことです。今は戦争をしない、餓死者も出さないという歴史を守るため「宗教者平和協議会」を作り活動しているとのことです。(「あかつき」146号より転載) | |
臍 荻野 浩子 選 |
(天の句) | 直ぐ臍を曲げる男の淋しがり | 栄子 |
(地の句) | 選挙戦骨ある臍が見当たらぬ | 廣子 | |
(人の句) | 大阪のヘソの辺りに彬の碑 | 隆昭 | |
(佳 吟) | 臍の緒だけは断捨離できません | ばっは | |
臍曲げた男正論なんだろう | ダン吉 | ||
惚けに効く臍帯血はおまへんか | 一志 | ||
へそ曲がり近頃右へ曲るくせ | 黒兎 | ||
三男は祖父そっくりのへそ曲がり | ばっは | ||
(軸 吟) | アンパンの臍の辺りにある内緒 | 浩子 |
宿る 松井 敏子 選 |
(天の句) | 九条がデンと心に根を下ろす | 廣子 |
(地の句) | 協力の文字に四つの力ある | 義泰 | |
(人の句) | 羊水がお守りします君の宿 | ばっは | |
(佳 吟) | 悪霊が宿った仕業北のドン | 和 | |
正直の頭に神も宿らぬ世 | 勝久 | ||
裏町に情が宿っていた昭和 | 信二 | ||
健全が宿らなかったドーピング | 紅絵 | ||
リベンジを胸に宿して積む稽古 | いさお | ||
(軸 吟) | 揺るがない君の決意を信じよう | 敏子 |
日 水野 黒兎 選 |
(天の句) | 濡れ衣が溶かした日々は溶けたまま | 冬の卜 |
(地の句) | 木漏れ日の小径ひとりの秋になる | 紀乃 | |
(人の句) | 夢を積む日々の変化がいとおしい | 昌代 | |
(佳 吟) | 太陽が眩しく見える退院日 | 松井秀夫 | |
あだ名呼べば顔まで戻る幼い日 | 英夫 | ||
何もない道で躓く日の重さ | 恵美子 | ||
七年七日蝉は辞世の句を詠まぬ | 義泰 | ||
日々薬薄紙はがす程癒える | シマ子 | ||
(軸 吟) | 日本にまた軍靴鳴る回れ右 | 黒兎 |
札束 穐山 常男 選 |
(天の句) | 札束に縁がないから今のどか | 堅坊 |
(地の句) | 札束を積めば拉致の子帰るなら | 隆昭 | |
(人の句) | 大阪人還付詐欺には弱いらし | 福貴子 | |
(佳 吟) | 札束で欲の器の底抜ける | 敏子 | |
国の借金積んで見なはれ天を突く | たもつ | ||
札束にはフェロモンあって気持ちゆれ | 和 | ||
札束が片寄り風が通らない | 鈍甲 | ||
札束で恐さ知りつつ再稼働 | 善之 | ||
(軸 吟) | 見慣れると札束ただの紙の山 | 常男 |
時事吟 新海 信二 選 |
(天の句) | 飛び上がるほどのICAN平和賞 | 鈍甲 |
(地の句) | 踏み絵する希望の党は右足で | 紀雄 | |
(人の句) | 北叱るあなたも核を捨てなさい | ダン吉 | |
(佳 吟) | フラッシュの前はハルキでなくカズオ | 克己 | |
ユネスコは反国益と星条旗 | 堅坊 | ||
トランプを選んだ民を嗤えるか | 紅絵 | ||
女狸が公約反故で尻尾出す | 万作 | ||
ロボットが今一線を越えてくる | 茶助 | ||
(軸 吟) | 前原氏鼻毛が壊す屋台骨 | 信二 |