あかつき川柳会の第140回定例句会は3月9日(金)に投句者37名を含め100名の参加で開かれました。今月の「お話」は「北朝鮮はなぜ・・・」と題して、日本コリア協会大阪、理事長の飯田光徳さんが、日本にはまだあまり知られていない北朝鮮の政治情勢、国内情勢、一般の人の暮しぶり等、数字を交えて説明されました。安倍政権は北朝鮮のミサイル発射実験を「北朝鮮特需」と捉え、国難とか、北朝鮮脅威とかと事態を煽り立て、Jアラートを流し避難訓練までしております。マスコミも北朝鮮の軍事パレードやミサイル発射実験を何度も何度もテレビで流しそれを援護射撃しているようです。日本はまだ北朝鮮と国交正常化の話し合いに入っていませんが、国連加盟192か国中166か国と北朝鮮は既に国交を持っています。

今年1月から朝鮮半島においてはめまぐるしく南北関係が進展しています。2月に開かれた平昌冬季オリンピック・パラリンピックには北朝鮮選手も参加、一部競技には南北合同チームで参加、その後の南北協議、韓国文在寅(ムン・ジェイン)大統領特使の平壌(ピョンヤン)派遣、南北首脳会談を4月末に板門店で開くと決定、そして句会当日に金恩正朝鮮労働党委員長の提案をトランプ米大統領が受け入れて5月までに米朝首脳会談を開くことになりました。北朝鮮脅威ばかり煽り立てている日本は、やっぱり蚊帳の外に置かれているようです。

川端 一歩 選
(天の句) 核如きにこの星渡してなるものか たもつ
(地の句) 戦争の好きな星などありません 喜八郎
(人の句) 人間の意思で回っている地球 茶助
(佳 吟) 青かった星も戦でくすみだす 浩子
星の数男いるのにまだひとり 栄子
泣かないであの星とってあげるから 喜八郎
星座命名想像力がたくましい 松井敏子
星くずを食べた瞳だ澄んでいる ひろ介
(軸 吟) 星の中いちばん光る第九条 一歩
揺れる
笠嶋恵美子 選
(天の句) 八才やからパパとお風呂はもうやめる あかり
(地の句) 核心を突かれ揺れ始める目玉 英夫
(人の句) 一粒の毒がまわってきたようだ 蕉子
(佳 吟) 大地揺れるわが師帰らぬ旅に立つ ダン吉
コンニャクに性善説が揺すられる のぶ久
揺れているらしい沈黙する電話 瑠美子
揺れながら年輪画いて来た月日 鈍甲
前進か戻るか風花がゆらり 喜八郎
(軸 吟) 笹舟でゆらりと春の河口まで 惠美子

太田扶美代 選
(天の句) 棚上げの思案へ春のうす埃 長島敏子
(地の句) 見るだけにしてネ私が吊った棚 栄子
(人の句) 去年まで届いた棚が高くなり 直子
(佳 吟) 棚引く雲に教えてもらう春の距離 楓楽
漱石も光の君も棚の上 茶助
神棚にまつって拝む宝くじ 喜代志
網棚に人を忘れてきたような 喜八郎
全集が棚を飾っただけのこと 信二
(軸 吟) 藤棚はもう来客の準備する 扶美代
保険
長島 敏子 選
(天の句) 何物にも勝るあなたという保険 あかり
(地の句) もしもモシモへ悲鳴をあげる保険料 松井敏子
(人の句) がん保険カネより命もらいたい 常男
(佳 吟) 殺されるほどは保険を掛けてない 克己
九条の平和保険を守らねば のぶ久
愛情保険そろそろ切れる夫婦仲
保険など無力ミサイル笑ってる 紀雄
好きなだけ飲めと五倍にする保険 栄子
(軸 吟) 忖度もその日の為に積む保険 長島敏子
時事吟
西出 封楽 選
(天の句) 兜太逝く右傾の国を憂いつつ いさお
(地の句) 命名は聡太と決めて落着けり 瑠美子
(人の句) 沖縄に平和な空を届けたい 紀雄
(佳 吟) 働き方量より質を民は請う
3.11まだ揺れている泣いている あかり
熱再びパラリンピックにもエール 松井秀夫
国会ののらりくらりヘ山怒る 笠嶋恵美子
年金も仮想通貨で受け取る日
(軸 吟) 北南裏で出してる赤い舌 封楽