あかつき川柳会の第150回定例句会は、1月11日(金)、投句39名を含み107名の参加で開かれました。初参加は大阪市の杉本光代さん矢野由枝さん、東大阪市の松田八重さん、伊勢市の井村信子さん、旭市の岡邦俊さん、京丹後市の藤田磯竹生さん、川崎市の松江宍道産の7名です。今月の「お話」は元大阪城天守閣館長、渡辺 武さんが「大阪城公園は、今」と題して大きく変わりつつある大阪城公園の現状を話されました。大阪城公園の運営は2015年4月以来、大阪城パークマネージメント共同事業体(電通、読売テレビ、大和ハウス他)に委ねられ収益を上げてゆくべく決まりました。 JR環状線大阪城公園駅前には「ジョーテラス」と呼ばれるレストランやカフェ等20店舗、森ノ宮駅近くの噴水前にはローソン、大型パン屋、カフェ、子供の遊び場が立ち並び、天守閣前の旧陸軍第四師団のビルには「ミライザ大阪城」としてレストランや屋上カフェ、更に森之宮駅近くには「クールジャパンパーク・オオサカ」として巨大な大・中・小の三ホールがもうすぐ完成とのことです。従来の緑豊かな閑静な市民の憩いの場から大きく変わりつつあります。あのエイペックの会場にもなった西ノ丸公園も、大量の土砂を盛り上げてモトクロスの会場になった事もありました。収益をあげるためとはいえ、市民にとって公演はこれでいいのか、と危機感を持って見守っていると締めくくられました。 | |
像 立藏 信子 選 |
(天の句) | その椅子を降りれば実像が残る | かこ |
(地の句) | ペン立てを彼のオブジェにしています | 信二 | |
(人の句) | それぞれの訳を抱えて羅漢さん | 光代 | |
(佳 吟) | 難民の暮らしリアルな画像から | 浩子 | |
想像がつかぬ十年後の世界 | 喜代志 | ||
又ゾロと偶像つくる二重橋 | はこべ | ||
ドカーンと花火の音へ浮かぶ像 | 栄子 | ||
自画像の余白にピンク塗っておく | 楓楽 | ||
(軸 吟) | ひとり歩きするのは虚像だと思う | 信子 |
明るい 土田 欣之 選 |
(天の句) | ポップコーン弾けて春が飛び出した | かこ |
(地の句) | 子供には明るい未来渡したい | 直子 | |
(人の句) | 矍鑠と百寿の祝待つ母者 | あかり | |
(佳 吟) | 快方に向かう明るい聴診器 | ひろ子 | |
上機嫌鼻歌もれるバスタイム | 高鷲 | ||
体調が戻るお神酒の口当たり | 穏夫 | ||
小さな窓大事な人を待つ灯り | 寿之 | ||
凡凡の暗し明るい笑い声 | 寿之 | ||
(軸 吟) | 三ケ日働く人に手を合わす | 欣之 |
立 西出 楓楽 選 |
(天の句) | 思案のたびに我が立つ位置を問い直す | 鈍甲 |
(地の句) | 崖っ縁に立って絆の太さ知る | ひろ子 | |
(人の句) | 被曝してなお雄弁に立つドーム | 堅坊 | |
(佳 吟) | 立場上嫌な小言も申し上げ | たもつ | |
立ち上がる勇気をくれたのは笑顔 | ひろ子 | ||
立春の何と可愛い蕾たち | 立藏信子 | ||
しっかりと立ってはっきりノーと言う | 栄子 | ||
半音の上がる話に耳が立つ | 寿之 | ||
(軸 吟) | 席蹴って立ったが誰もついて来ず | 楓楽 |
出発 藤原 一志 選 |
(天の句) | 九歳がプロの世界へ船出する | いさお |
(地の句) | 出発はおむつ終着はおむつ | 信二 | |
(人の句) | 明日へ向くゼロ番線の発車ベル | 寿之 | |
(佳 吟) | 始発駅旅立つ夢の無限大 | 寿之 | |
出発前いつも夫婦で小競り合い | 光代 | ||
出発の昭和も遠く尋常課 | たもつ | ||
年商五億は元は屋台のラーメン屋 | 栄子 | ||
更地にはなれど住民戻らない | 穏夫 | ||
(軸 吟) | 改めて平和を誓う屠蘇を酌む | 一志 |
時事吟 岩佐ダン吉 選 |
(天の句) | 溜め込んだ四百兆を世にまわせ | 一歩 |
(地の句) | 初鰹買う金あれば寄付をしろ | 一文 | |
(人の句) | デモの列格差なくせと世界中 | 鈍甲 | |
(佳 吟) | きなくさい世彬の想い今一度 | 福貴子 | |
新元号変えちゃいけないのは平和 | かこ | ||
捏造になれた自分に腹が立ち | 勝久 | ||
元旦に不戦誓った彬の碑 | 栄子 | ||
初春に私人の妻と外遊よ | 寺嶋惠美子 | ||
(軸 吟) | 年号よりさっさと変えてほしい人 | ダン吉 |