あかつき川柳会の9月定例句会は、全員投句による「誌上句会」として109名が参加し、9月11日に開かれました。全国の新規感染者数は緩やかに減少しつつあるとは言え、感染の波を3~4か月ごととすると年末には第3波の可能性がある上、秋以降は新型コロナウイルスに加えて季節性インフルエンザの流行が想定されています。あかつき川柳会は、すでに年内の定例句会はすべて「誌上句会」とすることを決めています。

感染症の予防ワクチンの開発と供給が世界共通の願いですが、最近このワクチンを製造する欧米の製薬会社9社が安全性を優先するため、その効果が確認されるまで当局に承認を求めないとの共同声明を発表しました。過度ワクチンに対する過度の期待で安全性が後回しにされかねない、大国による政治的な動きを牽制したものとみられています。(=写真左 鶴彬忌碑前祭)
席題はありません。

(天の句)
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
オアシス
了味 茶助 選
(天の句) オアシスの蜃気楼とは思わない つよし
(地の句) オアシスも今三密と疎まれる 河野正
(人の句) ステイホームオアシスだったころ昭和 河野正
(佳 吟) 縁側のひなたぼっこの猫二匹 博美
オアシスの一滴だったあの言葉 ダン吉
オアシスを求め彷徨う都市砂漠 いさお
オアシスで長居私が軽くなる ダン吉
ここ来るとほっとするのはなぜだろう 文吉
(軸 吟) わたくしの鞄を住まいにする虱 茶助

石田ひろ子 選
(天の句) 大波の盾になってる沖縄よ 一歩
(地の句) アベ政治コロナの波に呑み込まれ
(人の句) 波風に揉まれ一皮むけた葦 北朗
(佳 吟) 九条が平和を守る防波堤 ゆうこ
靖国に詣で波風立てたがり
おし寄せる波もあれこれ逃げた安倍 信明
稲穂波打つ瑞穂の国の米離れ 楓楽
波に乗るただそれだけじゃないですか ダン吉
(軸 吟) テトラポット三角波を睨んでる ひろ子
月光
穐山 常男 選
(天の句) 月光仮面助けにくるのは今でしょ 小山惠美子
(地の句) アポロ以後ロマンを消した月明かり 北朗
(人の句) 月明かり見飽きた妻がちょい美人 ひろし
(佳 吟) 主題歌は今でも空で歌えます
ローン済む迄はと今日も月を踏む 信二
月光に透した手紙涙あと 瑠美子
LED月の光は受け付けぬ 安保子
まぼろしか父の影ふみはしゃいだ夜 なずな
(軸 吟) 告白に月の光が明るすぎ 常男
時事吟
冬 の 卜 選
(天の句) 野党様結束バンド贈りたい
(地の句) 台風とコロナ菌とが相撲とる 瑠美子
(人の句) 贅沢な暮らし今宵はサンマ焼く 浩子
(佳 吟) フグよりもサンマが今や高級魚 己智子
「俺コロナ」そのひとことで犯罪者 まさあき
香港へもう行きたいと思わない 楓楽
安倍マスク自分もやめてまた作る 優子
コロナ禍が追い打ちかける老の坂 松井秀夫
(軸 吟) 阪神の夢は未だに放浪中 冬の卜