あかつき川柳会第184回定例句会は11月誌上句会として117名が投句で参加し開かれました。初参加は八尾市の福島奈津さん、奈良市の吉田ゆう子さんの二人です。10月30日に投開票された衆院選挙に関する時事吟に興味を持っていましたが、期待に反しあまり鋭い投句はありませんでした。選挙自身が自民党総裁選は華々しい選出過程の報道の末に選ばれた岸田首相の支持率が高い時期を逃さず、短い選挙運動期間の末に行われたことや、新自由主義からの脱却などとあまり争点にならない政策論争に振り回されたせいかもしれません。 あかつき川柳会創立20周年記念「合同句・文集」は、とても好評で発行以来2か月間ですでに100部余の追加注文がありました。このまま推移すれば来月末には在庫がゼロになるかもしれない、と思ったりしています。 | |
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(天の句) | 席題はございません。 | |
(地の句) | |||
(人の句) | |||
(佳 吟) | |||
(軸 吟) |
深い 立蔵 信子 選 |
(天の句) | 深々と票に頭を下げている | 文聡 |
(地の句) | 気候危機深い溜息化石賞 | 鈍甲 | |
(人の句) | 少年の闇深くする電子音 | 楓楽 | |
(佳 吟) | やり切ってホッと思わず深呼吸 | 万作 | |
人間の深さと思う聞き上手 | ダン吉 | ||
トロイカを歌うバイカル湖の底で | 一筒 | ||
冷静な男で深追いはしない | みつこ | ||
医師会と厚労省の深い仲 | いさお | ||
(軸 吟) | 話すたびに深くはなくなった悩み | 立蔵信子 |
先 内田志津子 選 |
(天の句) | 話にも信念にじむパイオニア | 奬 |
(地の句) | 先人の知恵積み重ね今がある | 黒兎 | |
(人の句) | 寂しくないか梢に残る柿一つ | 鈍甲 | |
(佳 吟) | 先達に思いを馳せる秋の夕 | 忍 | |
ごめんねと先に言われて萎える牙 | 長島敏子 | ||
お先にと譲る人情薄い世に | 緑 | ||
先を読む眼鏡がすこし曇りだす | しげこ | ||
守り抜く先祖の汗と血の棚田 | みつこ | ||
(軸 吟) | 先を見て練った作戦隙だらけ | 志津子 |
迷惑 荻野 浩子 選 |
(天の句) | 期限切れ原発今も動いてる | 文聡 |
(地の句) | 玄関に黒いベンツが止めてある | 克己 | |
(人の句) | 左から歯ぎしり右は多い引き | 心平太 | |
(佳 吟) | 水域を越えてチャイナの御權軍 | 志津子 | |
そもそもはどうして基地があるのです | 保州 | ||
おせっかいだったらしいな猫パンチ | りゅうこ | ||
迷惑な噂真空パックする | みつ江 | ||
迷惑でしょうが当分死にません | いさお | ||
(軸 吟) | 日曜日下手なピアノが隣から | 浩子 |
時事吟 三宅 保州 選 |
(天の句) | 跡継げととても言えない米づくり | 征之 |
(地の句) | 日章旗のままにならない星条旗 | 高鷲 | |
(人の句) | 論文も自販機で売る近未来 | 緑 | |
(佳 吟) | バラマキの後は野となれ山となれ | 紅絵 | |
秘書がしたこととしゃあ罪深い | 正康 | ||
分配は先ず国債を増し刷りし | 勝久 | ||
革新が時代遅れで保守になり | 一角 | ||
手のひらのスマホですべて事足りる | りゅうこ | ||
(軸 吟) | ニュース聞かないと生きてる気がしない | 保州 |