各地の川柳会は徐々に通常の会場句会を再開する動きにあり、関西地方ではほぼ半数が再開に踏み切りつつあります。私たちは今年いっぱいは誌上句会を続け、2023年1月から会場句会に移行すべく準備をしています。あかつき川柳会の第195回定例句会は10月8日で締め切り、125名の参加で開かれました。



(天の句)  秋です。近くの公園の木々もすっかり紅葉しています。
(地の句)
(人の句)
(佳 吟)
(軸 吟)
助走
赤松ますみ 選
(天の句) 大人への助走思春期の苦悩 克己
(地の句) 戦争へもう助走していませんか 賀世子
(人の句) 助走路が続く人間まで遥か 寿之
(佳 吟) 助走では完璧だったことにする 利秋
疑心暗鬼助走路をまた長くする 正明
一席をぶつ論客の咳払い 欣之
白鳥を目指し助走するアヒル 敏治
助走すら朧に秋の陽が落ちる 知栄
(軸 吟) 鈴虫の音色と秋の助走距離 ますみ
デジタル
吉村久仁雄 選
(天の句) デジタル化部屋の上座にコンピュータ 勝久
(地の句) デジタルに先を越されぬ老いの意地 常男
(人の句) 便利と危険背中合わせのデジタル化 麻也
(佳 吟) デジタル化されて我が家の代替わり 志津子
節くれた指デジタルが大嫌い 楓楽
デジタル語まるで天下を取るように りゅうこ
デジタル化さらりとこなし若返る 文鎮
デジタルが味方の顔してやって来る まさあき
(軸 吟) 夫婦仲荒れて来たなと知るルンバ 久仁雄

岩田 明子 選
(天の句) 論破されそれでも小さい拳上げ ダン吉
(地の句) 破れたら繕うの文化が消えた 一歩
(人の句) コロナ禍だ源氏を読破するチャンス 栄子
(佳 吟) イントロの途中で恋が破綻する 北朗
静寂を破る和尚の喝の声 和郎
夢破れされど山河は見捨てない 蒼水
休肝日破った数は数知れず 常男
力対力の対峙破滅へと 古池蛙
(軸 吟) 約束は破棄いたします秋の空 明子
時事吟
近藤  正 選
(天の句) ブーチンを痛打ノーベル平和賞 正治
(地の句) 黒塗りを剥がす力は民の声
(人の句) アフリカへ小麦届けたウクライナ 欣之
(佳 吟) ジェンダー指数116位情けなや 楓楽
ままごとの子供もぼやく物価高 一歩
目力が付くなぁマスク三年目 はな
宇宙から見れば騒々しい地球 保州
懸命に挑む姿の大相撲 三成
(軸 吟) Jアラート危機感煽る意図が見え