あかつき川柳会2月句会は出席者42名、投句者67名の総勢109名の参加で2月9日に開かれました。初参加は柏原市の筒井欣之さんと八尾市の永井守彦さんです。今月の「お話」は「元気で長生き、輝いて、少し『年金』のことも」と題して年金者組合・大阪の永井守彦さんがこれまでの経験をユニークに話されました。

上がる
奥澤洋二郎 選
(天の句) 悪政へ民よ大声上げようよ 楓楽
(地の句) 一日を生涯としてはい上がる 加お里
(人の句) 腐敗政治に今共同の火が上がる 鈍甲
(佳 吟) 統一教会の推しで雛壇に 眞澄
かさ上げの万博予算どうなるの 柳伸
家事育児得意で男上げている 楓楽
戦争が止まず値上げが止まらない 栄子
下々は物価が上がって虫の息
(軸 吟) 年金も上げてほしいな物価高 洋次郎
コスト
たむらあきこ 選
(天の句) 本当のコストは見えぬ汗だろう ダン吉
(地の句) 軍拡にかけるコストが高すぎる いさお
(人の句) 核兵器のコストは死者の数だろう ダン吉
(佳 吟) まけといて大阪弁は軟らかい 崇明
川柳人かけるコストは紙とペン 福貴子
俺の絵をコストで見るなとピカソ言い 太郎
好きな娘を妻にし人生は黒字 北朗
こんな世に百円ショップの踏ん張り 立蔵信子
(軸 吟) 夢を見るだけにもかかってくるコスト あきこ

長谷川崇明 選
(天の句) 菩薩にも鬼にもなれる母の道 和代
(地の句) 戦死の海に鬼面でほえた父返せ なずな
(人の句) 能登地震復興祈る鬼太鼓 ゆうこ
(佳 吟) 負けるなと陰で見ていた鬼上司 洋次郎
菩薩にも餓鬼にもなって介護する 栄子
おかげさん渡る世間は福ばかり
子育ては鬼と仏の使い分け 欣之
倒壊す屋根に無念の鬼瓦 河野正
(軸 吟) 戦でも絵本に書けば鬼退治 崇明
灰色
木嶋 盛隆 選
(天の句) 灰色のページ涙の跡がある ダン吉
(地の句) 灰色も魑魅魍魎も政 欣之
(人の句) 地を這っていますと笑い合いながら あきこ
(佳 吟) 辰年の能登灰色の空ばかり 克己
灰色が夫婦に残す痛い傷 和代
あの日から灰色のまま能登の空 いさお
拉致家族曇天の雲垂れたまま 川本信子
智恵子泣くまだ灰色の能登の空
(軸 吟) 裁判で決着つけるか白か黒 盛隆
時事吟
鈴木いさお 選
(天の句) GDP四位日本は落ちぶれた 楓楽
(地の句) イスラエル矛をロシアに向けなさい 啓之
(人の句) ひもじさに耐えるしかないガザの児ら 近藤正
(佳 吟) その背なに掛ける言葉が探せない ひとみ
裏金にどっぷりつかり月見酒 勝久
助られなくてごめんと貰い泣き 瑠美子
人手はあって人材のない政府 眞澄
雪ハラハラ影とわたしはかくれんぼ あきこ
(軸 吟) アメリカはそれでもやはりトランプか いさお